仕事してるときに上司から
「プロティン飲んでる?飲みたいんだけど、なんかいい方法ある?」
って急に聞かれたのですが・・・
こんな時、どんな顔をすればいいか分らないの
と思っただいたいいろです。
とりあえず鳥のささ身を推しておきました。
御嶽山とは
長野県と岐阜県の県境にある標高3067mのお山です。
今も活動を続ける活火山であり、噴火の危険があることから山頂付近約1kmは立入が規制されています。
そのため登れるのは9合目付近まで。
だいたいいろは少し前にマイナーな小坂口登山道ルートを使って登りました。 uniquepic.hatenablog.com
毎年GW明けくらいにメインアクセス道路の一つ霊峰ラインの通行止めが解除されます。
今回はそれを活用、最もポピュラーな黒沢口登山ルートを使って山頂手前の二ノ池を目指し登山してきました。
樹林帯を超えて
こちらが今回のスタート地点、中の湯駐車場。
春から夏、ロープウェイが再開するまでの間はここから登山が始まりますッ!
ちなみにトイレは完備されています。
夏以外、山小屋は営業していないためここを逃すとトイレポイントはありません。
忘れずに行きましょう!
そのトイレの横を抜けて進んでいくすぐに見えてくるのがこちらの社。
登山道入り口になります。
毎回のことですがここで登山の無事を祈願して出発します。
しばらくは樹林帯を進みます。
駐車場付近はさすがに雪はありませんが・・・
少し進むと雪が残ってきます。
アイゼンをつけるほどではないのでそのまま進みますッ!
駐車場から10分ほどで二つ目の社に到着。
ここでも登山の無事を祈願・・・絶対に怪我なく下山できますように・・・ッ!
ここから先はずっと雪が残ってきます。
先行している方が踏み固めてくれた雪の上を進みます。
おかげでとても歩きやすい。
うっかり踏み外した時は腿まで埋まりました(
何が困るって・・・抜け出すのがとても大変。
手をついて足を引っ張りだすのですが、手をついたところから陥没する始末・・・
この辺りのレスキュー方法をちょっと確立しておきたいところ。
駐車場から歩くこと約40分。
なにやら小屋が見えてきます・・・
七合目行場山荘かッ!と思いますが残念ながら違います。
以前は参拝者の休憩所だったようですね。
夏も開放されていない建物なのでもう役割は終えたのかと・・・
休憩所を通り抜けた先には3つ目の社に到着。
ここでも無事を祈願し雪の上を先へ先へと歩きます。
10分ほど歩くとロープウェイとの合流地点・・・
そしてその先にあるのは七合目行場山荘です!
ロープウェイが動いていないので当たり前ですが営業していません。
ここで小休止・・・
なぜなら・・・本当の登山道はここから始まりますッ!
そう御嶽山は登る山・・・
登山者の心を折るような急登が続きますッ!
・・・おいッ!夏より急じゃねーかッ!
と雪山恒例の悪態をついてから登山を再開します。
本当に口が悪いなこいつ。
前日に季節外れの降雪があったため登山道以外の雪はとても綺麗。
サラサラ感ありますね。
後ろを振り向いての1枚。
ちょうど樹林帯が切れて木曽駒方面までスッキリ。
中央の落葉した木が奥へ視線を誘導してくれます。
こんな写真が好きだなー
七合目行場山荘から歩くこと約30分。
ちょっとずつ木が密度が下がってきましたね。
傾斜角は下がりませんけどね(
足元に目を落とせばシュカブラ。
模様が非常に美しい。
背の低い木が雪に埋もれるこの時期、このあたりで森林限界を超えてきます。
ついに御嶽山山頂が見えてきましたね!
今日の目標はあそこの手前まで・・・頑張るぞ・・・
記憶の中ではそろそろ女人堂が見えてくるはずですが・・・ 見えませんね・・・
森林限界を超えてから約30分。
頂上が近づいてきたなと思うころ女人堂の姿が・・・
あそこで・・・あそこで休憩したい・・・(心からの願い
息も絶え絶えになりながらなんとか女人堂に到着。
あー坂がしんどかった・・・
ここで大休憩。
頼りになるカロリーメイトを頂きます。
行動食をカロリーメイトに戻してから心なしか行動中の痛みが減った気がします。
吸収がよくてしっかりと疲労が回復できているのかなと・・・
女人堂横のベンチから1枚。
北アルプスまでしっかり見えます。
もうちょっと上がった方が綺麗に見えるのですが、
先に女人堂に到着していたパーティーさんと距離を空けたいため、ゆっくり撮影なんかしちゃいます。
雪山恒例の・・・急登ッ!
カロリー補給もし先行組といい感じに距離が空いたので出発です。
夏の場合、女人堂からジグザグに登山道を登っていくのですが・・・
・・・冬は直登になりますよねー・・・
ちょっと前にも登った気がするのですが・・・ さあ肩を落として出発しましょうー
森林限界を超えたこともあり獲物をストックからピッケルに持ち換えます。
滑落停止訓練の成果が出ないことを祈ります。
10分も登らずに後ろを振り返ると・・・高度感はそれなり。
雪は歩くのに不都合がないくらい締まっているのでまだ安心です。
こちらは進行方向。ちょっとハイマツらしきものが頭を出しています。
そこが夏道。とりあえずの目標はそこです!
・・・まだまだ先は長そうですね。
トレースを辿っていきます。
女人堂から登ること約10分。
夏道に合流。
夏の場合、左右にハイマツが生い茂ってますがこの時期だとさすがに雪に埋もれていますね。
おかげで山頂まで見通しがいいですねー(あんな先なのかー
風の通り道なのかここから雪はより締まってきます。
ほどよい固さでアイゼンがしっかり効きます!
ズンズン前の人の後を辿りますッ!
このお地蔵さん(?)からが本当の森林限界。
ここから先は雪と岩の世界を進むことになります。
視線を横に向けてると綺麗な稜線。
手前・真ん中・奥と高くかつ広くなっていく気持ちいい構図です。
一番奥の高いところは登れそうですが、どうやら登山道はない模様。
この辺りの傾斜は割と緩やかなので気持ちよく歩けます。
少しずつ少しずつ山頂に近づいてますねー。
先行者さんにかなり離されています・・・
だいたいいろの体力がないのではなく写真撮影しているからだと思いたい。
雪でガイドロープが途切れていますので登山道から外れないよう慎重に進みます。
女人堂から1時間も歩くと比較的ゆるやか道は姿を消し、御嶽山名物の急登が姿を現してきます。
夏でも冬でもここから先は急登。
覚悟を決めて登り始めましょうッ!
気持ちだけは先へ進みますが重量に魂を引かれた体はそうはいきません(
疲れないペースで登りましょう。
途中にある看板。
吹き溜まりということもあり積雪1mくらいかな?
登山を始めたばかりのころは右の看板を見て
「まだ300mもあるのか・・・」
と絶望したものです。
今や余裕とは言いませんが
「あと300mしかないのか(仏の顔」
くらいの気持ちです(
さて看板を超えたあたりから傾斜がさらに急になりますッ!
滑落の危険性も高まります・・・油断せずに登りましょう。 先を行く人達が残してくれた踏み跡を慎重に辿ります。
夏道のポールも頭を出しているので道を踏み外す心配はなさそう。
それでも・・・さすがに・・・この傾斜はシンドイぞ・・・
途中、朝一で登ったおじいさんとすれ違います。
「頑張れ。あと少しだ。山頂は風強いけどいい景色だったよ」
などと励まされますが・・・この傾斜は無理ッ!
写真撮影と称した休憩をとります。
このおじいさん、下りるのもめっちゃめちゃ早かったな・・・
石室山荘直前になるとこの角度。
ほぼ垂直・・・こちらのメンタルを砕いてきます。
ここまで来るとかなりの疲労感ですが、逆に言うとですよ・・・
ここまで来て引き下がれるかッ!という気持ちになります!
足とピッケル・・・三点をしっかり使って傾斜を攻略していきます
っていうかね!
景色が・・・ッ!
あんまりにも変わらないからッ!
こ こ ろ が お れ そ う ッ !
ずっとずっとこの景色。
絶景も続くと飽きる!飽きるよッ!
などと声にならない叫びを上げながら、なんとか石室山荘を超え、写真を撮り忘れたことに気が付いたころ・・・
九合目の覚明堂に到着。
なんか必死に登ってたら行き過ぎてました(テヘペロ
季節外れの冷え込みで凍った鳥居が幻想的。
RPGの氷ステージを思い起こさせます。
さてここまで来ると本日の目標、二ノ池はすぐそこ。 このなぜかエビの尻尾ができそうな形の岩場を超えたら
辛い旅はこれで終わりと思うじゃないですか・・・
しかし待っていたのは・・・
突風です(
この景色見ている時は体が吹き飛ばされそうな風が正面から吹いてきますッ!
やっべー体持ってかれる・・・
体力もゴリゴリ消費されていきます・・・
這いつくばるように進み見えてくるのが御嶽山の頂上・・・剣ヶ峰ですッ!
雪で化粧された稜線が滑らかでとても美しい。
御嶽山は活火山ということもあり雪化粧がないとゴツゴツした岩山・・・
ファンデーションのノリがいいとここまで印象変わるのかー。
逆側には北アルプスの絶景。
雲がないと無駄なスペースが出来てしまいます。
たまにある望遠欲しいなというタイミング・・・ただし100枚に1枚くらいのペース。
絶景が見れたので満足したところですが今日の目標は二ノ池を見ること。
なんとか前をへ進みますが・・・
足元はこの状況。
足元の雪は吹き飛ばされ完全に凍ってますね・・・
あまりの風の強さにあっという間に体が冷えたので岩の影に退避。
ハードシェルの下に防寒着を着込みますが・・・時すでに遅し・・・ 寒い
手持ちのお湯を飲んで体を温めますが・・・この状況ッ!
ロマサガの乱れ雪月花の雪の部分はこんな感じだなッ!
とか場違いな感想が頭をよぎります。
ワイ、ワグナスちゃうから雪が弱点やないんや・・・(コミカライズネタ
雪のつぶてが舞う山頂方面。
幻想的ですが状況は最悪・・・死ぬ可能性を感じたのでここで登山終了を決断。
せめてこの位置からでもバリエーションある写真を撮ろうと獲物をZ6IIからZ7IIに持ち換えたところ・・・
体を吹き飛ばすほどの突風がッ!
落ちたら死ぬという思いからアイゼン・ピッケルを使った耐風姿勢をとりますが・・・
そしたらですね・・・
ザックの上に置いておいたZ7IIとボトルが谷底に飛ばされたじゃないですかッ!
しかし突風は収まらず・・・為すすべなくZ7IIとボトルが滑り落ちていく様を見届けます・・・
マジかよ・・・色んな意味で死んだと思いましたがZ7IIは運よく30m下付近で停止。
なんとか回収に成功しました。
ちなみにボトルは影も形もありませんでした。。。
この一件で完全に心折れたので前へ進むことなく停滞した岩場付近での撮影。
山頂方面を超広角でパシャリ。
山頂への稜線はやはり美しい。このなめらさを見るために雪山登ってるまである。
足元を入れた1枚。
凍った地面と岩が山頂へ視線を誘導してくれます。
停滞した場所から望む北アルプス。
稜線と北アルプスを絡めた1枚。
真ん中やや左側は登れる山です。冬にあそこまで行ける体力が欲しい。
停滞時定番の「なんか同じ構図しか撮ってないな?」という状況になったので下山開始です。
この先の光景を眺められるのはいつのことやら・・・
急転直下
よくこれ登れたな?
折り始めた時の素直な感想です(
なにこれめっちゃ急じゃない?
本当にこれ登って来たの??
ほぼ垂直じゃん・・・
みたいな感情が浮かんでは消えていきます。
しかも雪が腐って歩きにくい・・・
踏ん張りがきかずバランスを崩しやすいこと、今登ってきている人に雪と岩を落とさないことなどに気をつけて下ります。
まず目指すのは女人堂。
突風に吹かれた体力奪われたこともあるのでゆっくり目のペースで下山します。
下っている途中での1枚。
バックカントリースキーしている人はさすがに荷物大きいですね。
苦労した分、下りの爽快感はたまらないだろうなぁ。
という感じで女人堂に向かう途中・・・
雪の中に見慣れたピンクオレンジの物体が・・・
まさかね・・・と思いながら近づくと・・・
なんと山頂付近で谷底に飛ばされたボトルが・・・ッ!
小躍りしながら回収しました。
雪に埋もれてたので冷えてるかと思いましたが中身は全然温かったです(
登山道付近で拾えるってことは山頂付近で雪崩起きたら・・・登山道が埋もれるのでは・・・とちょっと恐怖したのは内緒。
懸念事項もなくなったこともあり再出発!
木曽駒ヶ岳を見ながらの下山は最高ですねー
女人堂へ下る手前での1枚。
山頂もこれで見納め。
次は夏・・・ロープウェイが動く前に来ようかな。
そして女人堂で休憩しシュカブラを多田李衣菜となりました(下書き原文まま
なぜ多田李衣菜???
正確には「辿りながらの下山となりました」です。
訂正しお詫び申し上げます。
さいごに・・・
心折れました。
これに尽きます(尽きません
駐車場から山頂付近までの標高差は約1000m。
七合目行場山荘から先は急登に次ぐ急登・・・
そして春になり緩くなった雪・・・
かなりの苦行が待ち受けているコースだと思います。
しかし、山頂付近から遮るものがない状態で見る北アルプスや木曽駒ヶ岳は絶景。
急登を乗り越える価値はあると思います。
バックカントリーをやる人も多く登山者が多いのも安心ポイント(心配な部分でもある
駐車場がいっぱいになるほどの人気ではないので春先に雪山登りたい時にうってつけかもしれません。
そんな雪の御嶽山、風のない日に再挑戦し賽の河原と超え摩利支天まで・・・
いつか行ける日が来たらいいなぁ。