心のフィルムに刻めば機材持って登山する必要ないのでは?
と常日頃から考えているだいたいいろです。
なんとなく毎年2月くらいに当年の登山予定を立ててます。
まずは小屋泊を前提とした大きい登山予定を立て、その間に日帰り登山を入れていく・・・
みたいな感じになんとなーく大線表を引いています。
今年の大きな目標は二つ
の二つでした。
穂高縦走は天候が合わず死が隣り合わせにあった蝶~常念岳の縦走へと姿を変えました。
仕事の都合から1泊二日以上の登山は難しく
槍も剱もダメかなーと思っていたところに
お客さん都合で思わむ休みが転がりこんできました。
それが6月の終わり・・・まだ立山室堂から先の小屋は本格的に営業していないタイミング。
それなら槍だ!
上高地から先の小屋も普通に営業してる!
槍でやりなおそう!
と思い立ち、
「明後日と明々後日休みます!」くらいの行動力で槍ヶ岳に挑戦してきましたッ!
■ 槍ヶ岳とは
北アルプスに属する標高3180mのお山。
名は体を表すとはよくいったもので、本当に槍のように尖った姿をしています。
北アルプスの中央部というあることから、北アのメジャールートを歩くとその特徴的な姿を割とよく目にします。
奥まった位置にあるため日帰りの登山はほぼ不可能。
一泊二日以上での登山が推奨されている山です。
北アルプスの中央付近にあるため様々な場所からアクセス可能です。
弊ブログでも何回か登場している燕岳から抜ける表銀座ルートは有名です。
絶景が約束されていることは間違いないのですが・・・
燕岳を超え、大天井岳を超え、さらにそこから歩くという体力的には厳しいルートです。
貧弱代表を自負するだいたいいろでは無理。。。
体力的に一番難易度が低いのは面白くないと言われる上高地を抜けて登るルート。
標高差約1500mm、片道約20kmと数値だけ見ると厳しそうな感じですが・・・
このルートの最大のメリットは小屋が多いことです。
徳沢まではもちろんのこと、その先にも槍沢ロッジ、殺生ヒュッテ、槍ヶ岳山荘と補給ポイントが点在しています。
そのため水や食料は最小限で済み、行程の割に重量負担は少なくすみます。
その体力負担も少なく、補給も容易なルートを二泊三日の行程で踏破してきました。
という超初心者向けの定番行程を選択。
どんな景色が見れたのかイマイチまとまらない感じでまとめてみました。
■ 1日目
時期は6月最終週の平日。
繁忙期の前かつ平日ということもあり今迄にない静けさの上高地に降り立ちました。
1日目の予定は上高地から槍沢ロッジまで。
行動時間は約4時間半、標高も200mほどしか上げません。
道自体も平坦かつ見慣れていることもありサッと通りぬけ・・・
人のいない河童橋って最高に美しいな!!!
開始5分で前言撤回できるこの尻の軽さはだいたいいろの魅力だと思ってます。
穂高はあいにくの雲の中。
今回向かうのはその先にあるまだ姿も見えない槍ヶ岳。
晴れてくれることを祈るばかりです。
6月の最終週、よく晴れた日ということもあり新緑が美しいです。
登山者には不評な上高地ですがそこは一級品の観光地。
やっぱり景色は美しい。
いつも見ているような風景ですが、上高地という土地柄なのか、槍ヶ岳へ迎えるという高揚感があるからなのか美しく見えます。
最近、この手の写真は撮らないことが多いんですよね・・・
河童橋をから歩くこと約30分。
少し見晴らしのいいポイントを通過。
明神岳の全貌が姿を現します。
登山ルートの設定はないらしいです・・・切れたった稜線といい少し傾斜のある山体といい歩き応えはありそう。 涸沢カールを見下ろせる立地のため秋は人気でそうな気がします。
明神岳を超えるとすぐに見えてくるのが明神館。
ここまで約1時間。ずっと平地を歩いてくるのでここまでならスニーカーでも大丈夫です。
左に曲がれば名所の一つである明神池。
そこを目標に上高地もアリと言えるくらい美しい場所です。
今にして思えば行程に余裕あったから寄ればいいのに・・・
脇目も振らずに直進し徳沢を目指したことをちょっと後悔したりします。
明神を出てからすぐに目に入ってくる尖った姿・・・
あれが・・・あれが槍ヶ岳・・・
遠い(
もうお前登山やめろよって思う感想しか出てこねーの(
とはいえここから引き返すというのもなんか癪。
先へ進みます!
明神から先、整備されているとはいえ道がちょっと野生を出してきます。
新緑も野性味を増してきます
川沿いを歩くルートということもあり開放感のあるポイントが多いです。 人が少ないこともあり気持ちよく歩けますねー
明神を出てから1時間弱で見えてくるのが・・・
徳沢です!
明神→徳沢間は平坦な道が続き、距離もそれほどではない(気がします)
退屈なことで有名な上高地内では一番楽かも・・・
ソフトクリーム食べたい欲はありますがどうせ食べるなら帰りがいい!
断腸の思いで横尾に向けて出発します。
2022年6月末時点で横尾までの樹林帯ルートは工事中のため通行不可。
対岸の迂回路へ向かいます!
・・・えっ!?この快晴、この標高で日陰なしの場所歩かせるの?
容赦ない日差しが降り注ぎ体力を消耗させていきます。
やべー暑さで鼻血でそう・・・
こんな時ばかりは快晴が恨めしい・・・景色がいいから足を止めて撮影する自分が憎い・・・ッ!
ちょっとだけある樹林帯を抜けたら・・・
日陰のない河川敷!!!
暑い!むしろ熱い!太陽と地面からの照り返しで両面こんがり焼けそうです。
上手に焼けましたー
意識は朦朧としているのですがちゃんと距離は稼いでいます。
今だけ渡れる仮設橋。
男の子って「仮設」とか「代替」とか好きですよね。
そのあたりの言葉をエヴァンゲリオンは上手く使ってなーとか思いながら渡ります。
どうでもいいことに意識を逃しながらフラフラと歩いていると・・・
横尾に到着ですッ!
人がいなあぁぁぁぁい!
穂高や槍ヶ岳の入り口にあたるため常に混在している横尾ですが
平日かつ繁忙期前ということもありさすがにガラガラ。
心置きなく日陰で休めます・・・
はぁー鼻血出るかと思った。
一息ついたところで本日の締めに向かいます。
いざ槍ヶ岳へッ!
横尾から槍沢までは樹林帯が続くので直射日光で焼かれることがないのが嬉しいところ。
登りにくいところには階段が整備されてるあたりに北アルプスを感じます。
横尾から先、野生の息吹がより強くなっていきます。
登山者の少ない登山道・・・それだけで何かに遭遇しそうな雰囲気。 と今更怖くなってきたので熊鈴の位置を調整して大きく鳴るようにしたりと頑張ります。
雪解けの影響か水量が多いせいか緑が元気です。
今年の夏も楽しませてくれよ・・・孤独から木に語り掛けたりしますが、木はもちろん返事してくれません(
横尾と槍沢ロッジ間は基本樹林帯を進むのですが時折視界が広がるポイントがあります。
そんな場所はだいたい「落石注意」とか書かれてるので足早に通り過ぎましょう。
梓川を並走していくので見た目は涼やか。
実際は暑い・・・
蒸した樹林帯と暑い川辺を歩くこと1時間強。
なんと!こんなところに水力発電(所だけ小さい)が!
こいつが見えたらゴールはすぐそこ!
この「もうすぐ槍沢ロッヂ」は信じられます。
水力発電所から約10分で槍沢ロッジに到着です!!!
炎天下の下を歩いてきたせいか喉がカラカラです・・・
受付と同時にCCレモンを購入。
2秒で飲み干したてから、三ツ矢サイダー買ってサマーサイダーやればよかったとか思いました(
残念ながら槍沢ロッジは谷中にあるため展望は望めません。
小屋からの絶景や夕日はありませんが・・・
そのかわり・・・水が豊富なため・・・なんとぉッ!!お風呂があります!!!
夏と言えば汗!汗といえばベトベト!!それが流せる!!!
もうそれだけで幸せですよねー、ということでサッパリし明日に備え早々に眠りにつきました。
■ 2日目
時刻は5時半。
美味しい朝ごはんを頂いてからのスタートです。
夏は行動時間が長くできるのでありがたいです。
双眼鏡の指し示す先に本日の目的地、槍ヶ岳があるのか・・・
距離にして約5km、コースタイムは約5時間。
うん、初日は約15km歩いているので余裕だな、と自分に言い聞かせて足を踏み出します。
平日の早朝、槍沢ロッジに泊まっている人も少なくトップに躍り出てしまいます。
アクシデントを避けるために可能なら回避したかった・・・
少し薄暗いせいか野生の息吹を強めに感じる・・・
怖い、この日ばかりは本当にそう感じました。
気休めかもしれないと思いますが熊鈴を大き目に鳴らしながら進みます。
開始5分にある最初のビューポイント。
まるでこれが槍ヶ岳だ!と言わんばかりの文字ですが槍ヶ岳ではないです。
先はなげーなと思いつつ、まだ標高は上がっていないため足取り軽く進みます。
槍沢から先はさすがに道は険しくなります。
北アルプスらしい大きな岩が足元を彩ってくれます。
槍沢ロッジから歩くこと約20分。
ババ平キャンプ場に到着!
おー展望が開けてきますねー
中央から左へ伸びているのは東鎌尾根かな
ババ平から先、しばらくは水平移動が続きます。
標高を上げないとは言えちょいちょい道が崩れているので油断はできません。
槍沢ロッジを出てから約1時間。
どんどん展望は開けてきますが・・・まだ槍ヶ岳は見えません!
どうも焦らすタイプのようですね。
そういうの嫌いじゃないよ・・・
展望が開けると同時にお出迎えしてくるのが雪渓です。
下界では夏の始まりを迎える6月末ですが、お山の上はまだ春の終わり。
しっかりと雪が残っています。
冷気が出ているのか風が吹くと気持ちいいー。
はぁ・・・天然の冷房やー。
この辺りから緩やかに傾斜が付いてきます。
正面に見えるのが槍ヶ岳・・・ではなくて大喰岳。
大きく左側へ曲がるコースを辿るためか、このあたりは大曲りと呼ばれてるようです。
槍ヶ岳は向かって右側にあるのでまだ姿は見えません。
夏は綺麗なお花畑になりそう。
雪渓を横切る場所がありましたがしっかりとルート工作されています。
ちょっと怖いですが慎重に行けばチェーンスパイクがなくても渡りきれます。
標高はゆうに2000mを超えているのに登山道がしっかり整備されており
難所らしい難所はいまのところありません。
強いて上げるとすれば距離がひたすら長いこと・・・
天気がいいとさすがに堪える。
天狗原分岐あたりかな?
北アルプスの真ん中にこんな開けた場所があるとかちょっと想像できなかったな・・・
写真の方向に進むと槍ヶ岳へは向かわないので注意!
そっちは南岳方面です。
視線を北側に向けると・・・ついに姿を現すのが槍ヶ岳ッ! 本当に尖ってるやがる!
標高2500mを超えるとさすがに登山道にも雪が残ってます。
先人たちが残してくれた足跡、小屋の方でしょうか?が立ててくれたポールを辿りながら慎重に足を進めていきます。
雪渓を超えると槍ヶ岳山荘の姿がちょろっと見えます。
あそこだ・・・ッ!あそこに着けば休憩できるぞッ!!!
その途中で振り返っての1枚。
綺麗に尖っている山は常念岳?
登山道に関してはずっとこんな感じでとても整備されています。
本当に登りやすい山だ。
ですが距離だけは長いです・・・
槍ヶ岳が姿を現してから1時間半はこの風景を見ることになります・・・
ようやく殺生ヒュッテさんと目線が同じになりました。
残念ながらまだ営業期間外。
休憩した気持ちを抑えて槍ヶ岳山荘へ足をすすめます。
もうこのあたりから飽きが来ており、
槍ヶ岳登る < 槍ヶ岳山荘さんで休憩する
という気持ちになっておりました。
景色本当に変わらない・・・
コピペか!!!
景色の変化はありませんが標高はしっかり稼いでいます。
後ろを振り返れば「削り取られた!」と感じずにはいられない美しい氷河地形を見ることができます。
視線の西側には美しい稜線。
その向こう側に見えるのはゴールデンウイークに登って死にかけた常念岳だな・・・ッ!
今思い返しても冷汗が出る・・・
登山道が階段っぽくなってきたらゴールはすぐそこ。
視線を後ろに向ければ先ほどとは違う小屋が。
こちらがヒュッテ大槍さん。
のんびりとした雰囲気の中、小屋明けの準備をされていました。
槍ヶ岳山荘さん手前の分岐を西へ向かうとヒュッテ大槍さんへ向かえます。
本日の目的地である槍ヶ岳山荘さんは反対側・・・
まだ・・・まだ登るのか・・・
すぐ・・・すぐそこなのに・・・
標高3000m近いせいか息も絶え絶えで足が進まない・・・
もはや瞳孔は闇を映す・・・
未来を失ったまま・・・
そんな朦朧とした意識の中・・・
槍ヶ岳山荘さんに到着です!!!
やったぁ!休憩できる!
(もはや目的が休憩になってる
天狗原を超えたあたりからずっと見える槍ヶ岳。
その槍ヶ岳が見えてからが本当に長く感じました。
ですが登山道の整備が行き届いており、鎖場やハシゴなどがないこともあってかコースタイム5時間のところを4時間で走破。
このエントリーを書いて時点の体力(北沢峠⇔甲斐駒ヶ岳山頂往復で5時間)なら3時間くらいで行けたのでは?
と思わずにはいられくらいに難所がなかったです。
手早く受付と昼食を済ませます。
ちょっと早めの到着となり部屋にはまだ入れないため小屋の軒下に荷物をデポさせて貰い、
いざ槍ヶ岳へッ!!!
槍ヶ岳山荘さんから槍ヶ岳山頂までのコースタイムは30分。
狭い岩場と3個のハシゴが待っている少し厳しめのコースとなっております。
山荘の玄関出たら即アプローチ開始な好立地です!
手を伸ばせば届きそうな距離に対して標高差は約100m。
つまり冗談みたいな急登が続きます!
・・・どこが・・・道・・・なの?
いきなり心折れそうになりました(
パッと見た感じでは進む道はよくわかりませんが踏み跡はしっかり残っています。
それを辿るように進むと、ホールドに適した岩、ちょうどよく足がおけるステップなどが配置されており意外とスイスイ進めます。
途中からマーキングがしっかりしてくるので、それに従いながらゆっくりと登ります。
角度はほぼ垂直な上に足場が狭いため、岩と体はつねに密着しているような状態です。
この構図を取るために持ってきたNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sが岩場にガンガンぶつかる・・・
買取価格が下がるよぅ・・・
間近で見る岩場の迫力に圧倒されつつも三点支持をしっかり守り、確実に標高を稼いでいきます。
一つ目のハシゴを通過。
山荘を出たまだ10分なのにこの高度感・・・
足が竦みそうです。
すぐにちょっと頼りない二つ目のハシゴに到着。
体重掛けたら外れそうで怖かったです・・・
間髪入れずに鎖場の登場です。
もう一生分の岩壁に登ったぞ・・・と思いますが道はまだ続きます。
ようやく最後のハシゴが見えてきました。
もう登る場所がない三つ目のハシゴ。
ハシゴの先には空しか見えません。
ハシゴを登りきりると・・・正面には・・・誰もいない山頂がッ!!!
槍ヶ岳の山頂は小さく狭いです。
他の登山者さんと譲り合いゆっくりできないかと思ってましたが、まさか誰もいないとは・・・
ということで全天周囲の大絶景を独り占めしちゃおうと思います。
山頂のお社に寄っての1枚。
切れたった崖の上・・・この向こう側には何もありません。
山頂から北側に向かっての1枚。
正面の奥に見えるのは野口五郎岳でしょうか・・・
上高地からかなり歩いたつもりでしたが、その先にもまだ山がある。
北アルプスの広さが感じられる気がします。
槍ヶ岳山頂から伸びるように続くのが北鎌尾根。
痩せたというより絞ったという表現が当てはまりそうな引き締まった山体をしています。
こちらは東側、有名な表銀座・・・歩きたい気持ちにさせる道ですね。
槍ヶ岳山頂から伸びる尾根は大きく左に曲がり、その先には大天井岳・・・
槍ヶ岳山荘さんがかなり低く見えます。
今日はあの干している布団で寝れるのかと思うとちょっと嬉しいですね。
まだ誰も登ってこないので山頂からの景色を何枚か撮影してみます。
思う存分撮影できましたし雲も上がってきたことなので山頂とお別れします・・・
ん・・・? 垂直じゃん!!!これ下りるの!?
若干震える手と足でハシゴをゆっくり下りていきます。
一つ目のハシゴをクリア・・・緊張からかもう疲れたッ!
前へ転ぶと早く下りれますが色々と無事では済まないので自然とペースはゆったり目に。
ハシゴがない場所は浮石が多くさらなる緊張が・・・
他に登山者さんもいないので鎖を頼りに背面向いて確実に高度を下げいきます。
山頂から約20分。
ハシゴと鎖場の連続、足を置く場所も少ない気が抜けない道が続きましたが、
無事に槍ヶ岳山荘さんへ戻ってくることが出来ました。
朝5時半から行動してると1日がめっちゃ長い。
一山超えた後ですが時刻はまだ11時。
ただ槍ヶ岳山荘でゴロゴロしているだけでは勿体ないので大喰岳まで行ってみたいと思います。
大喰岳は槍ヶ岳山荘さんから見て西側、テント場を超えた先にあります。
大喰岳への稜線はいかにも北アルプスって感じの岩場が続きます。
登山道まで出てくるような岩もないですし、大きなアップダウンもないので安心して歩ける道です。
階段みたいで歩きやすいです。
槍ヶ岳山荘さんから歩くこと30分弱。
大喰岳山頂に到着です!
なんですが山頂はあいにくのガスの中。
ガスの中の割に明るいのですぐに晴れそうと判断してちょっと待ってみます。
南岳、その先に待つのは大キレット・・・なんだけど見えない
常念岳方面にも雲が沸いてきました。
左下にあるのがヒュッテ大槍さん、右手前に見えるのがヒュッテ西岳さん、一番奥に見えるのが常念小屋さん
どこに泊まっても展望が開けており、最高の景色が見えそう。
槍ヶ岳山頂の雲が・・・晴れそうで晴れない・・・ッ!
晴れろ・・・!晴れろッ!
もうこんな距離を歩きたくないんだッ!という願いが通じたのか・・・
晴れました!!!
山頂標識と絡めてもう1枚。
登ったぜ感あります。
やや雲が多いですが梅雨の時期の貴重な青空。
特長的な尖った姿を間近で見ることが出来たので大分と満足。
時間に余裕があるので南岳・・・せめて中岳までは行きたいですが、
穂高方面の雲はなくなる気配はないので小屋に戻ることにします。
ちなみに大喰岳山頂はこんな感じです。
大き目の岩が転がっておりちょっと道が追いにくいかなーというところ。
槍ヶ岳山頂への展望はこちら側が正解。
綺麗に続く稜線と青空の組み合わせから爽快感のある景色を見る事ができます。
槍ヶ岳周辺の山域は雲が多いみたいですが、槍ヶ岳の上だけ快晴みたい。
非常にいいタイミングで登れたなー
帰り道もゆったり。
本当に歩きやすい道が続くなー
写真撮ってる上にかなりゆっくり歩いたので槍ヶ岳山荘さんに戻るのに30分程度かかりました。
平日ということもあり人が少ないため、ゆったりした雰囲気が漂う槍ヶ岳山荘さん。
本を読んだりお菓子を食べたりして夕焼けまで時間を潰しました。
気が付いたら寝ていたらしく、お夕飯の時間が来ていました。
なぜか普通の写真撮ってないんだよなー。寝ぼけてたか?
初夏ということもあり日の入りは割と遅い方です。
ご飯を食べ終わった17時30分過ぎでもまだまだ明るいです。
夕焼けまでちょっと待ちますかー。
標高3000mでも花は咲きます。
登山道の真ん中に咲いているので何回も踏まれているのでしょう。
それでも咲き続ける強さみたいなものを感じます。
日が傾いてきてコントラストが強くなった槍ヶ岳。
北アルプスらしいゴツゴツした岩肌、その立体感が強まり少し怖い印象を受けます。
テント場とその背後にあるのは大喰岳。
傍から見るとすごい切り立った位置にテント張ってますねー
これから夏が始まる、そんなことを感じさせる雲をしていますね。
少し多めの雲がレースカーテンのような役割を果たして優しい光を落としてくれます。
もう少し標高が低いとガスの中だったと思われるので登ってよかった感が増しますね。
これを撮影している時、まさかその三か月後に登ることになるとは思ってもいませんでした(
北アルプス北部は完全に雲に覆われそう・・・
夕日が透けて神々しいですけど、どこかサイゼリヤの内装感ありませんか?
鷲羽岳の頭上には大きな鳥のような雲が被さってきました。
時刻は19時過ぎ。
空がもっともオレンジ色に染まる時間・・・フォトグラファーさんのシルエットが印象的な一枚。
水晶岳や野口五郎岳、北アルプスの深部に挑む・・・
どこかそんなこと感じさせる景色です
一日の終わりにとてもいいものを見ることができました。
何回かに一回、こんな景色が見ることができるので登山はやめられないです。
夏は始まったばかりなのに夏の終わりを感じる、そんな色がでてませんか?
■ 3日目
おはようございました、最終日です!
朝ごはんは5時30分・・・その前に小屋の前で朝焼けをいただこうと思います。
この三日間で一番天気よさそう・・・ッ!
昨日登った大喰岳。
改めて見ると意外と下って登るんですね。
サッと登れたので見た目ほど厳しいやつじゃないですよ
こちらは笠ヶ岳方面かな? 遠くに見えるのは乗鞍?非常に大きな山域に見えます。
常念岳方面。
奥に続く山々が雲海に沈んでいて幻想的です。
朝日というと強いコントラストを想像しますが今日の朝日はちょっと違う。
どこか柔らかいです。
朝日の撮影はここまで。
一旦小屋に戻り下山用のカロリーを接種したいと思います。
こちらが朝ごはんのメインプレート。
朝はこれくらいがちょうどよいです。
ではでは下山を開始したいと思います!
またな!槍ヶ岳!槍ヶ岳山荘さんのホスピタリティもよかったのでまた来ますッ!
下山場所である上高地を見ることはできません。
二日かけて登ってきたところを一日で下る・・・まあ大変ですよね・・・
という道のりです。
大喰岳も見納め。
来年はこの先の南岳、大キレットを超えて、北穂まで行きたい・・・ッ!
随所にある雪渓は慎重に。
下りのほうが滑りそうで怖いです
雪渓と岩場が交互に遅いかかってきます。
岩場部分は道が分かりにくいので気を抜いて歩くとコースから外れそうなので注意です。
快晴の初夏なのでさすがに暑く、早く日陰のある樹林帯に入りたいのですが・・・
だいたいいろが下る速度よりも太陽が登る速度の方が早いので日陰がグングン遠ざかっていきます!
暑い・・・下山開始して30分そこそこでヘロヘロ感出てきます・・・
汗をかくって体力使うんだよね・・・
途中息抜きがてら登山道脇のお花を一枚。 もうあと1週間遅かったら一面のお花畑が見れたのかなと考えます。
傾斜がゆるくなってきたあたりで最後の雪渓を超えます。
その後はところどころ怖い部分がありますがなだらかな道が続きます。
土曜日の朝7時半。
さすがにまだ誰もババ平にテントを張っていません。
登りと同じように難所らしい難所もないためいいペースで下山できています。 槍ヶ岳山荘さんから約2時間で槍沢ロッヂさんに到着!
そこまで疲れていないですが、汗はそれなり以上にかいているのでここで一呼吸。
槍沢ロッヂさんから先は1時間おきに小屋があるので気兼ねなく水分補給できるのありがたい。
この「補給が容易」というのも槍ヶ岳の魅力の一つ!と言いたいです。
時刻は8時ちょうど。バス始発組と思われる団体さんとすれ違いはじめます。
今日も暑そうだから気をつけてー
あとは退屈な樹林帯・・・ではなく、そこまで厳しくない道をただ下るだけ。
槍沢ロッヂさんからしばらくは川の横を歩くのでとても涼しい・・・
涼しいからなのかいつもよりペースが速い・・・?
ちょっと気になりますが一度上がったペースを落とすこともできずに、
やや駆け足気味に横尾に到着です!
槍ヶ岳山荘さんから約3時間。
貧弱代表としてはかなり頑張ってる気がします・・・
ここで休憩すればいいのに、なぜか素通り・・・
次なる目的地徳沢へ足早に向かいます。
なぜ急いでいるのかも分からず黙々と歩き、
行きに苦しめられた河川敷を通過・・・
自分でも急ぐ理由が不明ながら汗だくになりつつ 横尾から約40分で徳沢に到着!
なんでだ・・・なんで俺急いでるんだ・・・わからないけど急がないと・・・
そんな落ち着かない気持ちを抱えつつここで呼吸を整えます。
ソフトクリーム食べるつもりだったのに
「あと少しで上高地・・・このペースでいくぞ!」
みたいなダメ思考全開で駆け抜けます
写真をとることも忘れ歩き続けて明神を通過・・・
そのままの勢いで駆け抜けて河童橋に到着!
時刻は10時56分・・・
いける・・・!これなら11時のあかんだな駐車場行きのバスに乗れるぞ!
そんな目的なんてなかったのに急遽目的設定しバスターミナルまで走ります・・・!
が、なんと目の前で11時のバスが出発・・・
結局1時間程度待つことになり、駆け足で下山してきた意味はなくなりました・・・
槍ヶ岳山荘さんから上高地バスターミナルまでの行動時間は5時間。
自分的に急いだわりにコースタイム8割程度のタイムでフィニッシュとなりました。
バスを待っている時に鼻血が出たのでかなりを無理してたようです・・・
写真を撮るために登山しているのに、写真も撮らずに足早に下山・・・
なんのために登山しているのか・・・ちょっと考えを改めようと思います。
■ さいごに・・・
槍はつまらないと聞いていましたが、
そんなことは全然ありません。
一級観光地である上高地を抜けた後は確かにつまらない樹林帯が続きます。
その分、ババ平を抜けてからの開放感は心に来るものがありました!
視界が広がってからもなかなか姿を見せない槍ヶ岳。
「槍が見えた!!!」という感じではなく、
「あれ?あれが槍?」という感じで気が付いたらそこにいる・・・
フラっと現れるのに山頂直下の登山道自体は足がすくむほど急で険しい。
その険しい道を乗り越えてからの山頂は最高の一言です。
細く尖った山頂に立った時は間違いなく
北アルプスの真ん中にいる
を感じることができました。
アクセス抜群の好立地にある槍ヶ岳山荘さんはホスピタリティもよく、
登りの険しさを癒し、下山への体力を回復してくれました。
次は季節を変えて最高の山頂と小屋を味わいたいと思います!
距離の長さが難点ですけど・・・