週末だけのハーレクイン
これだけが書かれた下書きが残っていたことに頭を悩ませているだいたいいろです。
孤独な自由と湧き上がるエナジーが溢れてる感じなので開山初週の立山で発散してきました。
■ 立山とは
北アルプスに属するお山です。
弊ブログに何回も登場している山です。
前回登頂時の記事はこちらです。 uniquepic.hatenablog.com
冬は立山黒部アルペンルートが動いていないことも実質登ることができません。
(道自体はあるので頑張れば登れるのかも?)
そんな立山ですが春の訪れと同時に立山黒部アルペンルートが再開。
短い期間ながら白銀の世界を味わうことができます。
残雪期とは言え山の上は真冬とほぼ同じです。 どんな部分が辛くて厳しかったのか、そしてどんな景色が待っていたのかちょっとまとめてみました。
■ 富山県側から侵入
前回は黒部ダム見たい欲がさく裂したため長野側から入山しましたが・・・非常に乗り換えが多く、荷物の上げ下ろしだけで疲れたことは記憶に新しいところです。
なので今回は乗り換えが1回で済む富山側からアプローチしていきます。
荷物が重いのは主に撮影機材のせいですが(
登り始めはごらんの有様ですが・・・
安心してください!天気予報はこれから快晴になる予報ですッ!
雨の後なので空気中の塵が落ち澄んだ空が待っていることでしょう。
期待に胸膨らませてまずはロープウェイ乗り場へッ!!!
5分ほどで駅に到着です。
ちなみに立山黒部アルペンのマスコットをデザインされた方と太鼓の達人のどんちゃん・かっちゃんをデザインされた方は一緒です。
かなりの健脚の方で様々な山に挑戦されているので気になる方はは調べてください(
だいたいいろ達が乗るのはこの日の第2便にあたる9時20分発。
ガチ登山装備の方々は第1便を使ったのか雪山登るぜッ!みたいな装備をしているのはだいたいいろ達だけ・・・
待ちきれない様子の小さい冒険者さん達を見習いなよ・・・
そんな大勢の観光客さんに紛れてロープウェイに乗り・・・
バスに乗り換えること1回・・・
多くの人が目的にする雪の大谷をおざなりに撮影しローリングシャッターの歪みを体感してると・・・
室堂に到着ですッ!!!
よし!快晴だな(棒
室堂出た瞬間は晴れてて欲しい(前回ぶり2回目の感想
まだ時間はたっぷりあるので落ち着いていきましょう。
本日のお宿は室堂山荘さん。
荷物のデポと早めのお昼を取るためにまずはそちらへ進んでいきましょう。
無造作に重機が置かれていたりするところに立山の凄さを感じます。
室堂バスターミナルを抜けてから約5分。おや・・・?そらのようすが・・・?
なんだか青空が見えてきたような・・・
予報通りに太陽がお出迎えしてくれます!
ここまで気持ちよく予報が当たるのは初めてかも・・・
雄山山頂付近の雲もなくなりつつありますね。
早く登りたいという気持ちはありますがいかんせんお腹が空いた・・・
ということでまずは室堂山荘さんにチェックインしそのままお昼を頂きます。
■ 我々は浄土山を目指す
昨年11月に訪れた時は宿泊地が雷鳥荘ということもあり時間的な余裕がなく雄山ピストンだけで終わりました。
今回は雄山に近い室堂山荘泊りということもあり時間には余裕があります。
なので今まで見て見ぬ振りを続けてきた浄土山へ足を向けてみました!
黒い点のようなものは全て人間です。
ご覧いただいた通り、それなりの数の登山者さんがいるのでトレースはばっちり。
これなら楽勝とばかりに歩みを進めていきます。
左手には雄山。
こんな快晴の日に登っていいのかな・・・?
何か良くないことが起こりそう・・・と考える小心者です(
室堂山荘を出てから約10分。
浄土山の山頂と思われる場所に近づいてきました。
途中振り返っての1枚。
まだまだ冬の様子が色濃く人の姿は疎らです。
室堂の中は盆地ということもあってか風はあまり吹きませんが、気持ち空気が冷たく感じます。
これから雪解けが進むと多くの人で賑わうのでしょうね。
室堂山荘から歩くこと約30分。
ジグザグに登っていくのでなかなかアタックルートが見つかりません。
どうやら焦らすタイプのようです。
スノーシューユーザさんのトレースをありがたく頂戴いたします。だいぶ薄いですが・・・
いや・・・しかし・・・近くで見ると格好いい山だな・・・
荒々しい岩肌と尖った山頂が男の子的格好良さを刺激してきますね。
進行方向反対側にある大日岳もまだまだ真っ白です。
稜線にエグイ雪庇が出来上がっているので歩くのは気を使いそう。
標高を少し上げ窪地から頭を出すと風が出てきます。
冬の唐松岳のように体が流されるようなレベルではないのでただひたすら風に逆らいながら頑張って進みます(
さすがに寒くなってきたのでハードシェルを装着。
完全に稜線から出ると風を防いでくれる場所はないので浄土山の山頂手前で必ず着るようにしましょう。
浄土山は山頂にかけては角度が付いているためか室堂から直登するルートではなく、いったん横に回りこむ形になります。
回り込む途中に見える景色がこちら。
手前が室堂山、右奥が国見岳でしょうか?
どちらも登山ルートの設定はないため登れるのは冬だけの特別な山なのかもしれないです。
室堂山へ向かう登山者さん。
何もない平原を歩いているように見えますがおそらく強風に吹かれており進むのも難しいのでは?
広い平原にいるせいか人の大きさなんて本当にちっぽけなものです。
そんな小さい体なのになぜこんなに大きな山に挑戦するのでしょうね・・・?
まあ、そんなことを考えているだいたいいろ達も登山の途中なんですけどね(
そろそろ現実に戻り浄土山山頂へのアタックを開始しましょうッ!
・・・???これが登山ルート???
いや壁だし・・・
お守りとして持ってきたピッケル君に活躍してもらう時来たようです。
立山で使うことになるとは思わなかった・・・
その途中で確実に目にするのが五色ヶ原方面の絶景。
山にかかる雲、このモヤモヤ感がだいたいいろを引き付ける・・・
こんな風にトラバースしてる最中なので気は抜けませんが・・・
浄土山に取り付いてからの雪はかなりの緩さです。
場所によっては雪が崩れて登れない場所もあったりしました。
また腿まで踏み抜くこともしばしば・・・
踏み抜いたらすぐに足を抜きましょう!
雪がすぐに固まってしまい抜けにくくなるので・・・
トラバースを超え、足場の悪い岩場を抜けたら・・・
ようやく浄土山の山頂に到着ですッ!!!
夏道だと1時間30分で登れるのに今回の所要時間はなんと2時間30分!!!
ちなみに直登に取り付いてからは45分かかっています・・・
心のどこかに立山なら余裕って部分がありました・・・
やはり雪山は雪山・・・次回以降舐めプしないよう注意いたします
山頂に出ることでようやく槍ヶ岳を見ることができました。
登っていない時は少し雲が掛かってくれた方が絵になりますね。
さてさて休憩もそこそこにして次なる目的地へ。
ますは龍王岳方面へ向かい、そこから一の越経由で雄山へ向かうというなんの捻りもないルートを選択します。
その稜線を歩きながらの1枚。
雄山を正面から捉えることが出来るのがこのルートの魅力です。
人のいない静かな稜線歩くこと自体ができとても気持ちいいですが・・・
このルート・・・雪が緩く踏み抜きが多い・・・
油断していると太ももまで持っていかれるので注意して進みましょう。
掘り返すのもなかなかに重労働だからね(
そんな稜線を歩くこと約10分。
なにやら櫓()が見えてきましたね!
その櫓の麓が浄土山(南峰)です・・・たぶん・・・
山頂標識見つからなかったんだよなぁ・・・雪の下にあったのかな?
櫓()の持ち主と思われる富山大学立山研究所さんはまだ雪の下。
何を研究してるのかちょっと気になります。
歩いてきた道を振り返っての1枚。
アップダウンは少ないうえに広さもしっかりとしているいい稜線に見えます。
こちらは龍王岳山頂。
\
登山ルートの設定はないようなので見るだけで我慢します。
登るのが怖かったわけじゃないからな(
■ 雄山を目指すが・・・
ここでルートは分岐するので予定通り一の越側へ下りていきます。
残雪期ということもあり稜線の雪はかなり少ないです。
岩の上に雪が被さっただけの状態のため、思わぬ硬さにバランス崩すこともしばしばな道です。 アイゼンを付けたままでの下りとなるのでちょっと気をつかいます。
雄山まで遮るものがない稜線自体はとても美しです。
途中に見えるのは針の木岳かな?
立山は何回も来ていますが針の木岳方面はまだ未開拓。
針の木小屋に泊まって蓮華岳とセットで巻き取りたい。
龍王岳方面へ振り返っての1枚。
これもしかして・・・雪崩地形なのでは?
登山道まで流れてくることはないと思いますがちょっと怖くなります。
室堂を見下ろしての1枚。
右奥のひと際背の高い山は別山かな?
天候によりますが今年の10月~11月には登る予定です。
先ほどまで歩いていた浄土山方面。
滑った跡があるのはさすがに恐ろしい・・・
富山大学さんの櫓()から気持ちのいい稜線を歩くこと30分、一の越に到着です。
一の越山荘さんの営業はもう少し先。
雄山山頂で星景や日の出を狙うなら絶好のポジションにありますよね。
ダンボ平方面に下りる道はどの時期でも絶景。
長い時間をかけて削り取られた氷河地形なのでしょうか?
滑落したら止められない気がするので歩くのはちょっとご遠慮したいと思います。
一の越に着いたら忘れてはいけないのが槍ヶ岳。
尖りに尖った姿を確認することができました
時刻は15時。
今回は室堂山荘泊りのため時間にはまだ余裕がありますが・・・稜線に出てから吹かれ続けた結果、体力がなくなっただいたいいろはここでリタイア・・・
山頂に向かうdocさんを見送ります・・・
いいんだ・・・この人の少ない室堂を見下ろせるからいいんだ・・・
と肩を落として下山を開始します・・・
ちなみに体力的には割と限界だったらしく下りでも息が切れました。
一度体が冷えるとそう簡単に体温が上がらない体質らしく、少し寒いだけでゴリゴリに体力がなくなります。
下りている最中に頭を上げると見事なハロが・・・
ほとんどの登山者さんが下りた後なのでトレースは問題なし。
迷わず歩けるというのは本当に楽でありがたいです。
スキーヤーさんかスノーボーダーさんが滑った後でしょうか?
綺麗な弧を描いていますね。
一の越から30分も下りると大きなアップダウンはなくなります。
下り坂でも息が切れていたのでこれは助かる・・・
今日の宿泊地である室堂山荘さんと大日岳の2ショット。
そのままなんとか室堂山荘へなだれ込み死んだように仮眠・・・
そして気がつくと夕日の時間。
ああ・・・終わっちゃうんだな・・・とか感じてしまい少し寂しくなる時間です。
光が斜めになる関係で滑り跡がよりクッキリと浮かび上がります。
たまには絞り開放を使ってみたり・・・
ホテル立山に帰る方の後ろ姿をぱしゃり。
こうやって見るとひどく遠くに感じますが10分も歩かないで着ける距離です。
強敵だった浄土山。
予想より強い中ボス・・・まるでムドーのようでした。
まだスノーボーダーさんが楽しんでいました。
とりとめもなく何枚か撮影。
この天気なら星も期待できるかなと思いましたが生憎と満月。。。
早い時間から明るい月が顔を出した影響もあり本日の撮影はここまでとしました。
■ 今日こそ雄山を・・・ッ!
ということで二日目スタートです。
やることもないので一晩寝て体力も回復したので昨日登り損ねた雄山山頂へ向かいます!!!
ほっほー快晴だな(2回目
山頂側の天気は御覧の有様ですが大日岳側の雲はかなり薄いです。
各種予報を確認したところ晴れ間はすぐに訪れそう・・・ということで予報を信じていざ山頂へ!
夏道はジグザグに登るので傾斜をそこまで意識することはないのですが・・・
そう冬道はみんな大好き直登です(
角度が付く分、しんどさは残雪期の方が上です。
息を切らせながら頑張って登りましょう。
もうね楽になるためには登るしかないんですよ!
一度登り始めたらねッ!
時刻は5時40分。
もう少ししたら室堂にも光が差してきそうです。
室堂山荘さんを出てから約50分。
一の越に到着です!
槍ヶ岳方面はあいにくの曇り空・・・
ですが雄山方面は・・・ちょっと雲かかってますね
まあ晴れるでしょうと楽観視しながら山頂へ向かいます。
登り始めてすぐに振り返っての1枚。
雲が頭の上を覆ってきましたね・・・
それでも山頂方面は快晴。
朝方ということもあり雪が締まっていて非常に登りやすい部分もありますが・・・
雪がなくなることもあります。
もう外そうかなと思うと雪が出てきたりと足元の情勢は不安定です。
まるで人生ですね(
雄山へ向かう道は室堂を見下ろすのにベストポジションです。
こちらは昨日登った浄土山方面。
全体的に丸っこいフォルムと柔らかい朝日が組み合わさって優しい雰囲気になっていますね。
一の越から登り始めること約10分。
PS3時代のQTEを思い出させる量の矢印がお出迎えしてくれます。
進むべき道をしっかりと示してくれており大変助かります。
角度もついておりまた浮石も多いことから細心の注意が必要です。
足元は不安定ですが手を置くにはちょうどいい岩も多く三点確保は容易。 落ち着いて登れば大丈夫です!
一の越から登り始めること約30分。
雄山山頂が見てくると同時に足元には再びの雪・・・
標高が上がったこともあり五色ヶ原方面への展望が開けてきます。
真ん中に見える小さな点が五色ヶ原山荘さん。
朝日を迎えると気持ちよさそうな立地してますね。
いつも休憩させてもらっているお地蔵さん前を通過。
だいぶ近づいたぞッ!
ちょうどいいタイミングで太陽さんが顔を出してくれます。
いい感じの光を山頂で浴びたいのでさっと登り切りたいところッ!
見慣れた標識を通りぬけ・・・
山頂直下の急登を超えたら・・・
雄山山頂に到着ですッ!!!
と同時に体を吹き飛ばさんばかりの強風がだいたいいろ達を襲います!
なんで???こんな快晴なのに風だけは強いの?
風は写真に写らないから伝えようがないのですが???
とたくさんの疑問符が頭に浮かびますが、ちょっとそれどころじゃないです。
風に流されて滑落する可能性もあるので無念の撤退を決意します・・・
この快晴で山頂が踏めないとは・・・ッ!
いのちだいじにが基本戦略だから仕方ない・・・
それでも可能な限り山頂の景色を味わってみました。
雄山と言えばこの光景。
龍王岳から五色ヶ原方面へ抜ける景色はいつ見てもいいですね。
アップロードしたタイミングでもうちょっと空の比率減らせやとか思ったのは内緒です
方位盤は山頂手前にあります。
いつも人がいて撮影するの躊躇いますがさすがに朝の7時ともなると誰もいませんね。
さてさて体が冷え切って動けなくなる前に下山していきましょう。
立山の真骨頂は雄山からの下山ルート。
雄山から龍王岳、さらにその先が見渡せる絶景が次きます。
遠くに見えるのは白山?
この景色が見たくて雄山登るまである。
そう思わざる得ないのですよね・・・
室堂も完全に照らされていますね
浄土山の山頂にグッと寄った1枚。
右側の地形はいかにも雪崩起きますよッ!って地形ですね。
山頂から下ること約30分。
一の越山荘が見えてきました。
雪がないうえに浮石の上を歩くことになります。
この辺りが一番気を使いました・・・
龍王岳頭上を覆っていた雲はなくなりました。
朝日に照らされる一の越山荘・・・これは泊まってみたいな。
40分ほどで一の越山荘に到着。
はぁ・・・気を使ったぞ
白く覆われたこの景色も見納め。
次に見る事になるのはおそらく9月、その時は綺麗な紅葉を期待したい。
昨日も見た室堂への下山道。
昨日とは日の差し方が逆になり弱いコントラストが柔らかい雰囲気にしてくれますね。
雪山になるとみんな思い思いの場所を歩きます。
そんなだいたいいろ達もバスの時刻に余裕があるため、ゆったりと下山。
これから雄山山頂へ向かう登山者さんを捉えた1枚。
山頂付近の風は凄いぞ・・・頑張れッ!
室堂の中でも風は強く、時折顔を叩いてきます・・・痛い・・・ほんとうに痛い・・・
8時を過ぎると人も増えてきます。
バスの始発時刻はまだなのでホテル立山や室堂山荘に泊まった人達かな?
夏と比べると全然空いてます。
気持ちよすぎるくらいの快晴。
これからバスで降りるのが勿体ない・・・
と思ったところで、山頂から歩くこと約1時間半。
室堂バスターミナルに到着ッ!
少なからず不幸はありましたが体は無事に下山となりました。
■ さいごに・・・
1日目に登った浄土山はまったくオススメできません(
急登 + 緩い雪がこんなにも歩きにくいとは思いませんでした・・・
足だけでは登れない角度になるのでピッケルの使い方に慣れておかないと途中で行動不能になるのでは?
また足元は緩く崩れやすいため滑落する可能性は十分にあると思います。
命を捨てる覚悟(大袈裟)もしくは雪山に絶対の自信がない人にはオススメはちょっと出来ないです・・・
登るなら雄山!雄山にしておきましょうッ!!!
雄山へのアタックルートに関してはピッケルをピッケルとして使う場所はなく、テクニックを要する部分はなかった印象です。
注意するとしたら山頂直下にあるミックス地帯。
雪と岩が入り混じり、足元がかなり不安定です。
ゆっくりと確実にアイゼンを引っかけないよう登る注意深さが必要です。
注意して登った先で待っているのは白銀の世界。
白さで言えば積雪期(11月)より上です。
これは来年も登るだろうな・・・と思わずにはいられない登山になりました。