過ぎていく季節だけ思いは募ります。
登山を始めてから本当に季節の移り変わりに悩まされます。
5月初旬。
完全な冬装備が必要か?フリースは抜いていいのか?
まだ夏靴は早いか?登山道の上なら雪がないのでは?
など悩みは尽きません。
そんな悩みを抱えながらGWの真っただ中、蝶ヶ岳から常念岳へ縦走してきましたッ!
なんとぉ!実は初めての二泊三日の登山です。
今回の行程は
1日目は三股駐車場から蝶ヶ岳ヒュッテまで
2日目は蝶ヶ岳から常念岳への縦走
3日目は前常念から三股駐車場から下山
というルート。
1日目は雨予報だけど、2日目の朝は快晴予報・・・
それなら雲海を楽しもうじゃないかッ!
とdocさんと相談しこのルートを取ることとなりました。
1日目から2日目の朝にかけての蝶ヶ岳部分についてまずはまとめてみましたッ!
■ 蝶ヶ岳とは?
北アルプスに属する標高2677mのお山です。
蝶という華やかな名前からすると少し標高は控え目です。
登山ルートは複数あり
が代表的かと思います。
一番難易度が低いと思われるのが一泊二日で楽しめる三股ルートです。
登山口までの道に悪路はなく、また登山道自体も整備が行き届いており難所はないとされています。
その分駐車場の競争率は高いらしく、駐車場難民になることもしばしばあるとのこと・・・
そんな三股ルートからの蝶ヶ岳登山・・・
文字だけ見ると登りやすいイメージが実際どんな感じだったのかは下記をご覧ください。
■ 悪天候の中を進む
今回のスタート地点は三俣駐車場。
天気が悪いせいか駐車場はガラガラでした。
心配されていた駐車場問題があっさり解決したので足取り軽く登山を楽しみましょー(
いやー日差しもないし空気も冷たくて非常に歩きやすいー。
・・・はは・・・もうこれ完全にミストの世界じゃん・・・
5月にもなって登山口からハードシェルを着るとはね・・・
雪解けとなるこのシーズン。
登山道にも水は溢れてきます。
こんな時でも完全防水の登山靴とスパッツを履いていれば気にならないです。
ちなみにだいたいいろは夏の好天時でもスパッツ着用派です。
小屋泊まりが多いので小屋と小屋からお借りしているお布団を汚したくないのが主な理由です。
あと暖かい(真顔
駐車場から歩くこと約20分、距離にして約800m。
なにやら建物が・・・
ついに三股登山口に到着ですッ!
今回は三股登山口から登り始め、蝶ヶ岳、常念岳を登ったのちに前常念からここまで下りてくるルート。
三股登山口はスタートでありゴール地点でもあるわけですね。
さてさて人生初となる二泊三日の大縦走(大袈裟)を始めていこうじゃないですか!
登山口の標高は約1300m。
初日の目的地である蝶ヶ岳の標高は2677m。
標高差1300mを駆け上がっていきましょう。
標高の低い場所では雪解けも終わり、新緑が始まる季節。
雨で少ししっとりとした雰囲気と生きのいい緑の組み合わせが気持ちいいです。
登山する前の雨の森とかよく撮影していたのでなんだか実家に帰ってきたかのような安心感
足場の悪い場所には木道がかかっていたり・・・
歩くとぼよんぼよんする橋が架かっていたりと
階段がついてたりと・・・
と蝶ヶ岳山頂までの登山道はよく整備されている印象です。
そんな感じで歩くこと約30分。
最初で最後の水場に到着です!
飲むと美味しいのでしょうがお腹を下すのが怖くてなかなか試せないだいたいいろです。
大丈夫?ほんとうに飲めるの?途中でお腹痛くなったりしない?
ここまで標高はほぼ上げてきませんでしたが水場から先は標高を上げる道に変わります。
足が重たいなと感じたころに見えてくるのが「もたれないよ」と優しく返事したくなる標識・・・
ゴジラみたいな木に到着ですッ!
尖った石が口にあたる部分に詰め込まれておりゴジラ感が増されています。
そんなゴジラさんの横を失礼していきましょう。
力水からまめうち平までの区間は標高をキュッと上げていく印象です。
ただ道自体はとても歩きやすいのでそこまで疲れは感じなかったかな?
雰囲気は燕岳とよく似ています。
駐車場から歩くこと約2時間。
まめうち平に到着です。
晴れていれば展望が綺麗な場所なんでしょうね・・・
雨で幻想的な雰囲気になってるのも素敵じゃないですか?
まめうち平の標高は1910m。
あと700mも登れるぞッ!嬉しい(強がり
標高が上がったこともあり足元には雪が・・・
悪天候で気温が上がらなかったためか雪は締まっておりノーアイゼンで進めます。
まめうち平からしばらくは平坦な道を辿ることになるのでそれがいい方向に影響しているのかな?とも思います。
駐車場から2時間半。標高は2000mを超えますッ! 距離にしてあと半分ッ!!!
なんですけどその残り半分が大変なんですッ!
ここからは登りに登り続ける道が始まります・・・
さすがにアイゼンを装着。
軽くなったザックと重くなった両足を引きずりながらの標高を上げていきましょう!!!
その途中、ちょっと開けた雰囲気に・・・
それなりに角度のついた道をトラバースしていきます。
さすがにここは早足で駆け抜けました・・・上から崩れてきたらどうしようって気持ちがありまして。。。
登りはまだまだ続きます。
標高が上がったことで雨は雪に変わりだいたいいろ達を苦しめてきます。
・・・降りすぎだろ?今5月やぞ?なぜに5月にもなって吹雪かれないあかんのや?
など思うなどしました・・・悪天候を覚悟して登ってるのに・・・
先ほどのトラバースや強めの雪が降ることもあるのでやはりハードシェルは必須。
残雪期とはいえレインウェアでは危ないなと感じました。
登山開始から約4時間・・・登山道の雰囲気は完全に積雪期・・・5月とは思えない寒さ・・・
環境が厳しい・・・ただそこにいるだけで体力を奪っていきます・・・
もう帰りたいと思いますが・・・
引き返せないこの気持ちは・・・ワガママですか・・・?
いや引き返すより小屋に行った方が早いし・・・
さなぎを蝶に返すのは大変なんだよ・・・
みたいなよくわからない思考してたのはなぜかよく覚えています(
登山開始から約4時間半。
樹林帯が終わり、最後の直登が始まりますッ!
ここまで、きたら、小屋まで、あとすこし・・・ッ!
頑張れ・・・ッ!
急登に次ぐ急登・・・さらに強くなる雪・・・
そして効かない視界・・・
雰囲気だけは山頂っぽいのですが先の見えない不安感からか疲れを強く感じます・・・
そんな絶望感の中、人類が確かに残したと思われる痕跡を発見。
そう階段です!
これを登れば小屋が・・・
見えねーじゃねーかッ!!!
早く・・・早くストーブで温まりたいよ・・・
そんな気持ちだけでなんとか足を進めること約10分・・・
本日の天国・・・蝶ヶ岳ヒュッテに到着ですッ!!!
即チェックインして温まりところですが・・・
なんと同行しているdocさんはこの天候の中でテント泊・・・
さすがに一人だけ温まることは申し訳なくテント張るのを手伝いました・・・
そしてこの日、天候は回復しないまま終わることになりました・・・
■ 奇跡の回復
天気がよければ星でも・・・と思いましたが初日の寒さでかなり体力を持っていかれたので夜は回復に専念しました・・・
そして夜明けとともに行動開始。
蝶ヶ岳ヒュッテ周辺で日の出を楽しんでみたいと思います。
低い位置に雲が溜まっているので残念な景色になるなって思いましたか?
いやいや・・・見てくださいよ、この雲海をッ!
もうこれが見れただけで大満足ですよ!
美しいモルゲンは見れないかもしれませんが薄明はとても美しいです。
朝焼けとテント。
あの吹雪の中、障害物のない稜線に張られたテント・・・
夜が恐ろしかったのは想像に難くないですがこの景色のためなら我慢できるのかもしれませんね
昨日はこの標識を右から来ました。今日はこの標識を左にいきます。
日の出の時刻ですが太陽はまだ雲の中。
5月とはいえ朝方はしっかり冷えます。
早く姿を現して空気を温め欲しいです。
未だ雪深い穂高山脈
来年は白い姿のうちに会いにいきたい・・・
昨日は雨がしっかり降ったこともあり雲海が押し寄せてきます。
ゼノブレイド2のフィールドみたいだ・・・3の発売日は2022/07/29。楽しみです!
これから登る常念岳方面。
ほんのり夜明けの色がついてきました。
時刻は5時。
低い雲を超えてようやく太陽さんが姿を現してくれます。
雲が低い位置に溜まってくれたおかげでだいたいいろの好きなローコントラストにまとまってくれました。
西穂高、ジャンダルム、奥穂高でしょうか?
厳しい山体をしていますが、ほんのりついたオレンジ色のおかげで今だけは少し優しい雰囲気になりますね
雪は深夜まで降り続きました・・・トレースが消えていないか不安です。
鮮やかなモルゲンが望まれるのでしょうがこれくらい優しい色付きの方がよくないですか?
目に見えて鮮やかな風景だけが風景じゃないと思ってます。
今日歩く縦走路もいい感じの色合いです。
気持ちのいい縦走になりそう。
そういえば山頂標識撮影してなかったな?と思い出したのでもう一度、蝶ヶ岳山頂へ。
ということで山頂です。
山頂から見る長野の町並み。
それなりの望遠があれば反射する水田が撮れたなぁ・・・
テント泊してた人達は一足早く出発するようです。
この時ばかりは誰か常念方面向かってトレースつけてくれッ!と願いました(
■ 槍を踏む
時刻は7時半。
だいたいいろ達も常念岳に向けて出発です。
遠くに見えるのは乗鞍かな?
かなり広大な山域という印象です。
足元にはさらに厚くなった雲海。
それとは対照的に進行方向は快晴。
蝶ヶ岳から常念岳の縦走路は細かくアップダウンを繰り返します。
まず目指すは画面右側の蝶槍!
不安だったトレースもありますね。
蝶ヶ岳ヒュッテを出てから約20分。
上高地方面へ下りる分岐に到着です。
このポイントから蝶ヶ岳ヒュッテ方面へ振り返っての1枚。
雪が薄いせいか岩場とのコントラストが強く厳しさを伝えてくるような雰囲気です。
見た目は怖いですがここまでは全然優しいよ
分岐を超えると最初の登りがお出迎えしてくれますッ!
その途中に蝶ヶ岳三角点はありますが・・・ 雪のせいか見つけられませんでした(
三角点からヒュッテ方面を振り返っての1枚。
八ヶ岳にある硫黄岳のように山頂が広く、全体的に丸みを帯びているため優しい形をしていますね。
山頂直下の急登は本当に疲れたけどな(
三角点を超えると・・・ついに本日のピークである常念岳が全貌を現します。
まだまだ先は長いけど歩き切らないと死んじゃうからな、頑張ろう。
常念岳と同時に通過点である蝶槍も見えてきます。
こちらは蝶槍と常念の2ショット。
蝶槍へのアタックルートは岩場の上を進みます。
岩自体は大きいのでアイゼン履いててもなんとか進める感じです。
登り切る直前がちょっとクセものです。
割と段差が大きく、足をかける場所にちょっと悩みました。
蝶ヶ岳ヒュッテから約40分。
蝶槍に到着ですッ!
歩いてきた稜線が一望できます。
そして反対側には常念岳・・・
標高を大きく下げ、その後には大きな登り返し・・・
前回は雨に泣きましたが今回は快晴ッ!
これなら歩ききれるッ!
そう思わせてくれる天気でしたが・・・
この後、さらなる地獄が待っていることはまだ誰も知らない・・・
次回、常念岳編へ続く・・・ッ!
■ さいごに
残雪期の蝶ヶ岳。
いつもならもっとたくさんの人がいるのでしょうね。
1日目の悪天候のおかげか登山者さんも少なく終始落ち着いた雰囲気で登ることができました。
三股駐車場から始まる登山道は整備が行き届いており夏道ならとても歩きやすそう。
山頂直下の直登も夏は階段になっており登りやすいそうです。
そんな厳しい直登を超えると同時に森林限界、そしてすぐ頂上という好立地。
風に吹かれ続けて体力を持っていかれるということもなさそう。
快晴の夏空なら万人に勧められる山だと感じました。
山頂と小屋の距離も近く朝焼けを味わうには絶好のポジションです。
雲海を見たい!そんな欲を満たしてくれた素敵な山でした。