
2024年の記事が書き終わらないまま2025年を迎え、そして二ヵ月が過ぎただいたいいろです。
こんにちは。
書くスピードがとにかく遅い、ブログ書きはじめそれなりの期間が立つのに、いまだに何を書いていいかよく分からないんですよね。
学習率の設定が0.0000001くらいに設定されているようで、ハイパーパラメータの見直しをしたいなぁと常々思っています。
書くこともまとまらないかつ、思い出すことも嫌になるようなツラいことが多かった登山については筆が進まないのも納得というところ。
そんなと登山が今回の北穂高登頂。
2024年の春、開山したばかりの上高地を抜け北穂高岳に挑戦してきました。
少しお時間を頂いて、目を通していただければと思います。
■ 北穂高岳とは
標高は3106mを誇る北アルプス屈指の名峰です。
岩稜帯の多い北アルプスの中でも、岩場の険しさは屈指のもの。
悪辣な岸壁に囲まれており、夏場はロッククライミングの名所としても有名です。
今回登頂したのは4月下旬。
下界では桜も散り、夏場にさしかかろうとしている時期ですが、お山の上はなお雪深い時期です。
夜から朝にかけての気温は氷点下を下回り、まだまだ油断はできない季節です。
複数のルートから登れる北穂高岳ですが、今回は最も一般的な上高地から入るルートを選択。
上高地から涸沢を抜け、涸沢に一泊しナイトハイクで山頂を狙う少し挑戦的な工程を組んでみました。
■ 予想される恐怖
自分の故郷よりもよく来ているあかんだな駐車場がスタート地点。
もうおなじみですね。
GWなのでもっと混んでいるかと思いましたが、意外と空いていました。

そのまま流れるようにバスに乗り・・・

朝6時30分に上高地を出発です。

4月の終わりということもあり、上高地バスターミナル周辺には雪はなし。
重くて硬い冬靴の感触を確かめながら夏道をずんずん進んでいきましょう。

朝早いかつ天気も思わしくないためか、渋谷のスクランブル交差点も真っ青な人口密度を誇る河童橋も人はまばらです。

我々も素通りし小梨平へ抜けていきます。

上高地から北穂高岳までの距離は約17km。
本日の幕営地である涸沢ヒュッテまででも約15km。
コースタイムは約6時間30分。
テント装備ということもあり、いつものペースは期待できないことが予想されます。
余裕がないという訳ではありませんが、あまりゆっくりも出来ないといったところ。
そのため、日本有数の景勝地である上高地もただの通過点に早変わりです。
ただただ長く、平らで、面白味の感じられない道に感じられてしまいます。この思考、本当によくない。

バスターミナルを出てから約40分ほどで明神を通過です。

河童橋と同様に明神も素通りします。
普通の人は明神を目的に歩いてくるのに・・・

途中、おさるさんとすれ違います。

まだ緑も息も吹き返しておらず、雪もない殺風景な景色。
この中を10km近く歩いていく・・・気持ちなど高鳴るはずもなく・・・

ただ黙々、黙々と北穂高岳へと足を進めます。
美しい紅葉を見せてくれる梓川接岸ポイントも初春は寂しい雰囲気です

河童橋を出てから約1時間30分、徳澤を通過。
次にここへ辿り着いた時、我々は幸福(ソフトクリーム)を手に入れることになるでしょう。

2024年前半はまだ湖岸工事中でした。
横尾まで行くには一度反対側の岸に渡る必要あり。

梓川周辺を自然の姿に戻す大規模な工事。
そこかしこに重機が置かれています。

反対側の岸を渡り、少し歩くと仮設橋あり。
戻ります。

徳澤を出ること約1時間、横尾に到着です。

横尾から先は涸沢まで山小屋はありません。
なので補給とトイレが必要だと感じた場合、横尾で済ませるようにしましょう。
子供の日ということなのかこいのぼりが泳いでいますね。
こんなちょっとしたおしゃれって好きです。

ここまでで約10km。距離だけなら2/3を通過したところです。
しかし標高は未だ1700m前後。
北穂高岳の標高は約3100m。
その標高差1400m。
ここから一気に標高を上げていくことになります!
横尾大橋を越えて標高稼ぎの旅に参りましょう。

横尾大橋を抜けるとさすがに雪の姿が目に付くようになります。

登山道全体にあるというわけではなく、日当たりの悪いところには残っている程度なのでアイゼンやチェーンスパイクはまだ不要です。
この階段を上る度に「北アルプスに帰ってきたなぁ」という気持ちになります。

横尾から涸沢は屏風岩をグルっと迂回するようなルートをとります。
林越しに見えるのが屏風岩・・・こんなに大きな山を迂回するのか・・・と毎回思いますが、毎回なんとかなってます。

標高が高い場所はさすがに白いな・・・

河童橋から4時間ほどで本谷橋を通過。
今回はテン泊装備ということもありペースは悪め。
紅葉時期と違ってテント場に余裕があると思われので非常にゆっくり目の進行です。

本谷橋から先はさすがに雪ありです。

踏み固められていることもありアイゼンなしでもいいかなーというところ
本谷橋を出てから約30分。
視界が東側に開けるポイントを通過します。

始めて涸沢に登った時、画面右側の無名峰を北穂だと思ったことをここに告白します。
同行者の「北穂はまだ見えないですね」という一言に心折れたことは一生の思い出です(
見通しが良くなる分、ここから先の体感が長いんだよなぁ。
絶対に歩くことになる道が見える・・・ツラさが可視化される貴重な経験です(

画面中央に小さい点々が見えますね。
それ木ではないんです・・・人なんです・・・

あそこまで歩くのか・・・景色が変わらないので無限ループに陥ったような感覚がだいたいいろ達を襲ってきます。
でも登山のいいところは歩けば終わる!ということ。頑張って歩きましょう!
本谷橋を出てから約1時間。
ついに正面に本日の目的地である涸沢ヒュッテの姿が・・・
肩を落とし、疲れた顔をした人達の列が連なっています。
いままさに我々もその行列に加わろうとしています。

登山開始から約6時間・・・ついに涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐に到着!
でもまだテント場は見えない・・・!

神よ!まだ俺たちに歩けというのか!!もう15kmは歩いたぞ!!!
叫びは空しく残雪に溶けこんでしまいます。
一歩一歩が重い・・・1秒の動きが千の秋を越えるような長さに感じられる・・・
この・・・この雪の大壁(大袈裟)を越えた先に目的地はある・・・ッ!

分岐から歩くことなんと10分・・・ついにテント場に到着です!

ようやく着いたぁぁぁあぁ!!!
心からの叫び、魂の叫びとはこのことか!とばかりに声を上げます(実際は声には出していません
同時に着いた方と
「クッソ長かったですね」
「本当に長かったです。途中から登ってる人見えたじゃないですか。完全に働きアリでしたね笑」
と笑いあったのは思い出深いです。
手早く受付をすませテントの設営します。
そのままお昼を頂くなどしてたら、お昼過ぎてました。
そういえば看板撮影してなかったなと思いつつ1枚撮影。
到着してから1時間以上経過してました。

雲が立ち込める残念な天気です。

明日の早朝は快晴予報を信じ、今はどうかおやすみ。
綺麗な朝焼けを信じ、早めの就寝としました。
■ 見えない恐怖
時刻は朝3時30分。涸沢カールの途中からおはようございます。

北穂高岳山頂で日が登り切る前の綺麗な時間帯を迎えるため真っ暗の中の登攀です。
元々から急な登攀ルート、クラストした雪面・・・進むルートもよく見えない・・・それなり以上の恐怖があります。
滑り落ちたらタダでは済まないし、誰にも気が付いてもらえない・・・
そう思いながら、慎重に、確実にピッケルとアイゼンを効かせながら登ります。
時刻は4時半、東の空から灯りが差し始めます。

一度付いた灯りはあっという間に東から南まで広がっていきます。

トレースが見えないのはそれだけ雪が硬いということ・・・
アイゼンも効きにくいので速さよりも確実さを取り、ゆっくりと登ります。
先行者からはこのあたりから徐々に離されていきます。 朝焼けがふたりを分かつときでした・・・
中央やや右寄りの隙間が空いた部分が山頂への入り口です。

急な傾斜はなんとか登り切り、少しトラバースすると・・・

岩場に取り付きます。
久方ぶりの安定した足場で酷使したふくらはぎを休めます。

少し緊張の糸が解けたのか、いまになって疲れを感じます。
改めて見直すとすごい急斜面・・・これを登っていたのだから緊張くらいしますよ。

一息ついたところでいざ山頂へ!と前を向いたら・・・
槍ヶ岳の姿が目に飛び込んできます!

中央の広い山体は立山か?
立山黒部アルペンルートも開通している時期。あちら側からも穂高がよく見えているでしょう。

そして目の前には山頂標識!
涸沢ヒュッテから約2時間、無事に山頂に到着です!

正面に見えるのはどっしりとした山体は奥穂高岳。

2023年10月の終わりに雪の奥穂高、2024年2月に雪の西穂高、そして今回の北穂高! まさか1シーズン中に穂高連峰の主要峰を周り切ることになるとは夢にも思ってなかったです。
こちらは前穂高だけかな?
奥穂とは異なり細く尖った山体が特徴的です。

奥穂と前穂のツーショット。

まだ姿を残しているお月様までくっきり見えるほどの快晴!
怖い思いはしましたが、登ってよかった!と思わせてくれる天気です。

真ん中やや右側に赤い屋根が見えるということは、こちらは大天井岳か?

1日が終わったような疲労感がだいたいいろを包み込んでいますが、時刻はまだ5時30分。
太陽さんもまだ登り切れないようで、地平の彼方はまだなお濃いオレンジ色しています。

槍ヶ岳から続く大キレットを収めた1枚。
槍ヶ岳から始まり、南岳へ続く・・・一気に標高を落としてからの登り返し。
標高差も凄そうですが、28mmに収まり切らないあたりに距離の長さを感じてしまいます。

そういえば北穂小屋ってどこにあるんだろ・・・と周りを見渡せば、ひょっこりと頭を出している赤い屋根を発見。
本当に山頂の真横にあるんだ。

せっかくなので小屋の前まで下りてみましょう。

小屋の前からは槍ヶ岳の全貌が確認できます。
どうしても小屋の影が入ってしまう山頂とは違い、こちらは槍ヶ岳まで遮るものがありません。

ここで星撮ったら綺麗だろうな。三脚担いで泊まりにきましょう。
窓に写るフォトグラファー達。
それぞれの撮影スタイルが出ていますね。

見るモノも見て気持ちが落ち着くと、気になってくるのが下山時間。
涸沢から上高地まで約15kmもあるので早めに下りたいですね。
ということで、いったん山頂へ戻り下山を開始したいと思います。
山頂⇔北穂小屋間の階段は下界もびっくりなくらい綺麗に施工されています。

急な登りは当たり前ですが急な下りに早変わりします。
右側へ向かって下りていくことになりますが、角度があって下が見えませんね。

いざクライムダウン!

角度が一番きつい取り付き部分は背面下降で確実に進んでいきます。
両の腕、両の足、どこか3点が必ず地面と接していることを意識しつつ下降します。
角度が緩やかになってきたら正面を向きますが・・・全然緩やかにならねー。

上しか見ない登りとは異なり、落ちたら死ぬ角度を常に見ることになり気が休まる瞬間がないです。
正面を向いて下りてしまうと角度が急なため設置面積が少なくアイゼンが効きません。
素直に横を向いて下ります。

山頂より下山を開始して約1時間。
傾斜が少し落ち着く南陵への取り付き部分で一呼吸つきます。

左下にテント場が見えますが、吹けば飛ぶような小ささです。
ここから先、傾斜は緩やかになります。
気が抜けるわけではないですが「極度の緊張」という状態ではなくなります。
南陵取り付きから20分ほど歩きました。
テント場にだいぶと近づきました。

振り返っての1枚。
昨日は曇り、登りは夜明け前と姿を見ることが叶わなかった北穂ですが、ようやく全貌が確認できます。
あーいや・・・途中からの傾斜はやっぱ凄いすね・・・あれをよく無事に登って下りてこれたな。

山頂から約2時間、涸沢ヒュッテ横のテント場に到着。
怪我無く無事に下山できました。
■ 見えている恐怖
まあまあ疲れていることもあり手早く撤収とはいかないです。
それなりの量の補給を済ませ、もたもたとテントを片付けていきます。
時刻は9時、いつもの倍くらいの時間をかけて撤収を完了。
涸沢カールもこれで見納めです。

いざ上高地に向けて下山開始です!

昨日登ってきたから距離の長さが頭に強く残っています。
見えている苦労ほど疲れを増長させるものはない・・・ッ!
残された希望は徳澤園のソフトクリームのみ!
それだけを希望に手早く標高を下げていきましょう。
・・・見た目からしてなげぇ・・・
右側の山が切れ落ちている部分から少し先に、まずは目指すべき本谷橋があります。

日はすっかり登り、雪は重くなり、我々の足も思うように上がりません。
先が見えている分だけ・・・遠く感じる・・・

涸沢ヒュッテから下山を始めて30分、樹林帯に突入します。
ここから本谷橋まで約30分、まだ半分か。

雪が多く残るタイミングでは涸沢ヒュッテから本谷橋までの登山道に十分な広さはありません。
登山道上ですれ違うことは難しいため、登りが優先を基本としつつ、互いに譲り合って進む必要ありです。
涸沢ヒュッテから約1時間で本谷橋を通過。
ソフトクリームまであと2時間。

まずは横尾に向けて足を進めます。
本谷橋を過ぎれば雪はほぼなくなります。
アイゼンを外して軽くなった足で軽快に・・・飛ばせたらいいなぁ・・・
普通よりもやや遅めのペースで登山道を下っていきます。

登りと変わらない景色のため写真も取らず足を進めます。
約50分で横尾に到着。

今日の天気は快晴の模様。
これから登る人達は気持ちの良い登山になりそうです。

横尾から先はほぼ平坦な道が続きます。
下り坂による推力増加は望めず、己が脚力のみの勝負・・・!

本当に無心で下り続けて・・・約1時間で徳澤に到着。

ここで大休憩。
ねんがんのソフトクリームをてにいれたぞ(写真はない
最後の希望を狩り尽くしたところで再出発です。
もはや望むものはない・・・絶望しかない登山道へ足を向けます。
日当たりのよい徳澤周辺は緑が戻り始めてますね。
緑の絨毯の中を、かき分けて進みましょー

徳澤を出てから約1時間、明神を通過します。

毎回のことですがこの辺りは既に無心。
多くなった観光客の方々をすり抜けながら一路河童橋へ!

小梨平を抜けて・・・

涸沢ヒュッテを出ること約5時間で河童橋に到着。

往復約35kmの長旅、ここに完結です。

■ さいごに・・・

上高地から始まる旅路の長さに恐怖し、
2m先もよく見えない中での雪壁の登攀に恐怖し、
上高地への下山路の長さに恐怖する・・・
恐怖しか残ってないじゃんという旅路でした。
山頂にぽつんとある標識を見た時は安堵感とか達成感よりも、
「ああ・・・なんか世界の果てに来たなぁ・・・」
という臨死状態のような気持ちが強かったです。
登頂した記憶は正直薄いのですが、写真にはちゃんと残っています。
すごく怖い思いをしたのに記憶にはない、でも記録には残せている。
写真のいいところに気が付いた、いい登山になったと思ってます。
決してオススメできる行程ではないですが、挑戦しておいてよかった登山になりました!