若い頃は夏よりも冬が好きでした。
冬は登れる山が減るので夏の方が好きかも?と心を改めてきただいたいいろです。
平地は冬、山は夏がいいです(わがまま
そんな登る人も減り、事故の確率も格段に高くなる冬山シーズンを満喫しに弊ブログレギュラーのdocさんと一緒に立山へと足を延ばしてみました。
■ 立山とは
北アルプスに属するお山です。
弊ブログでは10月初旬にも登っており基本的な情報はそちらをご覧ください。 uniquepic.hatenablog.com
前回は雪もなく時間に余裕があったことから大走り分岐から大汝山、そこから雄山に抜けるルートをとりました。
今回は冬ということもあり滑落する危険も高いことから室堂から雄山までのピストンを選択。
冬の登山道がどんなものなのか・・・それでは御覧ください。
■ ターミナルを抜けたその先には・・・ッ!
前回は富山側である立山駅からスタートしましたが今回のスタート地点は長野県側の扇沢。
無料駐車場は満車だし荷物も重たいので迷わず有料駐車場を選択。
到着時間は始発1時間前の8時。それなりに空いてます。
11月の終わりということもありさすがに紅葉は楽しめませんでした。
少し雲が多いですが個人的にはセンサーダストが目立たないので空間が余らないのでこれくらいなら許容範囲かな?
各種小屋の営業最終日ということもありチケット売り場は長蛇の列。
webきっぷ購入済みであっても発券しないといけないので大人しく並びましょう。
登山者さんとスキー・スノーボーダーさんの比率は半々くらい。
歩きにくい靴にあの長い板を持っての移動とか大変そう・・・
チケット発券後、写真を撮る隙間もないくらいの急な流れでバス乗り場に到着。
バスは満席。立ってる人もいますねー。
過去一で人が多いかも・・・いや前回が平日で空いてたから余計にそう感じるのかも・・・
次の目的地である黒部ダムまでは約40分のバス旅。
扇沢から上がるルートはここしかゆっくり出来ないので眠いならすぐに寝ておきましょう。
黒部ダム駅に到着。
ここから・・・
ながいたびが はじまる..
クソゲーという噂は聞きますがプレイしたことはありません(
人が多いこともあり渋滞を起こさないために忙しなく次の目的に向かいます。
10分ほど歩いてトンネルを抜けると・・・
黒部ダムの上に到着ッ!
これから目指すべき山頂が白い輝いている・・・白すぎるよ・・・
高まる気持ちと連動するようにめっちゃ早足になります・・・
というかみんな歩くの早いよ・・・流れを途切れさせないようペースを合わせて歩きます
待って・・・待って・・・朝の通勤時より忙しないよ・・・ッ!
ということでケーブルカーに乗り・・・
ロープウェイに乗り・・・
トローリーバスに乗り・・・
そのたびに背負い直すザックの重さに辟易したころ・・・
室堂ターミナルに到着ッ!
初日の予定は雄山登頂からの雷鳥荘での宿泊。
室堂ターミナル内のコインロッカーに不用品を押し込んで身軽になって出発です。
扇沢から約1時間、4回の乗り換えの先に待っていたのは・・・冗談みたいな晴天でしたッ!
前回は真っ茶色()な風景が一転し白銀の世界に変わっています。
室堂ターミナルから雄山山頂までのコースタイムは約3時間。
標高2400m前後から3000m、標高差約600mを駆け上ることになります。
左に見える雄山、右に見える浄土山・・・バス乗っただけでこの景色が味わえるとか・・・
立山が人気なのも頷けます。
サクッと雄山山頂を取りたいところですが・・・柔らかい新雪に足が取られてペースが上がらない・・・
人が多い分、雪が踏み固められてると思いワカン置いてきたのが裏目に出たな・・・
スキーヤーさんが滑った後が美しいですね。
歩き始めて30分ほどで傾斜が強くなってきます。
この時点で原因不明の息切れが発生・・・
まったく足が進まなくなったのでdocさんとここで一旦分かれ先に行ってもらいます。
「やんのか?!やめるか?!やんのか?!やめるか?!」と悩むこと15分。
なんとか息が整ってきたので再出発します。
ペースは上がらないのでどんどん抜かされていきます・・・
画面真ん中上部に小さい建物が見えますか?
あれが当面の目標である一の越山荘です。
この辺りの傾斜がとにかくキツイ・・・
伸びる飛行機雲が最高に綺麗なのですがすでに疲労困憊です(
登山を始めて1年経過しましたが体力はつかなかったみたいです。
行動開始から約1時間・・・
同じ景色が延々と続く雪山の洗礼がだいたいいろを襲います・・・
さっきからずっとこんな傾斜見てるよ・・・ッ!
なんだけど・・・悔しいことに絶景は絶景!!
飽きない!!!
途中にある祓堂で小休止。
家から持ってきたお湯がとても美味しい。
変に切れていた息も収まり調子は8割ってところ。
祓堂からキュッと傾斜を登ること約30分・・・ 一の越山荘に到着ですッ!
一の越山荘から雄山が立ちはだかり剱岳の姿は見えませんが・・・槍ヶ岳方面の展望は最高ッ!
カール地形のため視界の広がり方が半端ないです。
こちらは龍王岳方面。
荒々しい岩肌が露出しており冬山の厳しさが伝わってきます。
こちらのパーティーさんはダンボ平方面に向かうのでしょうか?
歩く人が少ない道・・・とても大変そう・・・
先行しているdocさんの姿は見えず・・・どうやら雄山登頂に取り掛かっている模様。
急ぎ足でdocさんの背中を追いますッ!
山頂までの登山道は雪と岩のミックス路。
岩にアイゼンを取られ転ぶと大惨事になります。ここまできたら頂上は踏みたいので慎重に足を運びます。
室堂・大日岳方面の景色も美しいのですが・・・
立山で最も景色が美しいところはどこ?と聞かれたらだいたいいろは雄山途中から見る龍王岳と答えます。
そんな絶景がこちら。
冬は日が傾くのが早いです。
斜光を浴びる山体、雪に光が反射してとても美しいです。
絶景に囲まれていますが大事なのは足元。
岩の上に乗った雪には要注意。
見た目は柔らかいですが下にあるのは岩です。
思ったよりアイゼンの刺さりが悪いのでバランスを崩しやすいです。
途中振り返っての1枚。
雄山から下る道と浄土山に登る道が1本に繋がってるように見えますね。
奥に伸びる構図がとても美しい。
岩が作り出した怖い門を超えたら、そこが中間点。
あと30分!頑張れ・・・ッ!
途中にあるお地蔵さん。
このお地蔵さんがある場所は少し平になっているので休憩するのにちょうどいいです。
ですがここから先に待っているのはいい感じの急登です。
気持ちだけは先へ進みますが足は自動では進んでくれません。
暗くなる前に雷鳥荘に着きたいのでちょっと頑張って登りましょうッ!
振り返った時に見える景色はあいかわらず最高!
龍王岳と浄土山が一望できます。
これが広角端14mmの暴力・・・ッ!
広いって最高。
ちょっと怖い注意書きを超えて・・・
ちょっと道を巻いたら・・・
雄山山頂まであと少し!手を伸ばせばもう届きそう。
他の登山者も疲労困憊の模様。
もうすぐゴールだ!がんばれ!
途中、原因不明の息切れなどを中心に色々な理由で遅くなりましたが・・・
室堂から約3時間・・・雄山山頂に到着です!
雄山山頂の神社に見覚えあるザックが見えます。
docさんとの合流を急ぐため感動は脇に置いておいて神社へ足早に向かいます。
秋に上がってきた大汝山分岐。
今日はこちらを歩く時間はなさそう
大日岳へ続くような道。
室堂が見渡せますねー
最後に待っているのがこの階段。
飽きるほどの絶景を浴びた先で待っているのが・・・山頂ですッ!
■ 頂上で迎えてくれたものは・・・ッ!
まずは怪我無く登れたことを神様にお礼を言います。
躊躇った・・・戸惑った・・・迷いも今・・・
そんなことを忘れさせてくれるくらいの景色が頂上で待っててくれましたッ!
こちらは秋に登った大汝山。
大汝山が立ちはだかるので頂上から剱岳はよく見えません。
登れってことだな?来年の夏に挑戦しますか。 二泊三日くらいで雄山→別山→剱岳みたいな縦走やってみたいですね。
これは別山?
今回登ってきた龍王岳方面。
気まぐれでザックに入れておいた85mmが最高の仕事してくれました。
横構図での1枚。
奥まで続く山並みが本当に美しい。
天気がいいので槍ヶ岳がしっかりと確認できます。
この尖り具合は唯一無二ですね。
室堂方面の1枚。
みくりが池が凍ってるのがわかりますねー。
登山してきたこともありだいたいいろ達はそこまで寒くなかったです。
露出もっと高めてサングラスを投げ捨てたい・・・
このままここで夕暮れ、そして星を見たい気持ちもありますが今日の宿泊地である雷鳥荘へ向かいます。
半分埋まった鳥居が美しい・・・これを星を絡めた1枚を狙いたいです。
別れ際の1枚。
一番手前の龍王岳から抜けた先にあるのが五色ヶ原山荘。
歩くと気持ちよさそうな平原が続いてます。
ガウル平原かグーラみたいな雰囲気なんだろうな(
山頂から見下ろした1枚。
一の越山荘が見えないことから角度が割と急なことが伝わるかと思います。
岩と雪のミックス状態は変わらないです。
下りながらそこまでのスピード感は出せないかと・・・
この景色と別れるのはツライです・・・
浄土山まで道が続いていることを感じさせますね。
下り始めて約30分。一の越山荘手前まで来ました。
この辺りは雪がなくアイゼンをつけた状態だととても歩きにくいので注意が必要です!
疲労から注意力が散漫になるタイミング。
ここまで来たら絶対に怪我なく下山したい!
スキー・スノーボーダーさんの跡が美しいです。
山頂から30分ちょっとで一の越山荘前に到着です。
ここから雷鳥荘までは約1時間・・・ですが、まずはデポした荷物の回収と所用を片付けるために室堂ターミナルへ向かいますッ!
14時も過ぎると日帰りの登山者さんは姿を消しとても静かになります。
傾いてきた太陽に照らされた雪原。
凹凸がよりはっきりします
大汝山の影になる部分での1枚。
右奥に見えるのが室堂山荘、その先にあるのが奥大日岳です。
無駄なスペースになるから空を入れるなとよく言われていますが、だいたいいろはこんな写真が好きです。
室堂は谷底に位置しているため日が差さなくなるのが早いです。
夕焼けにはちょっと早いですが15時にはもう太陽が隠れそう・・・
1時間ちょっとでほぼ平野まで下りてこれます。
サッと室堂ターミナルまで戻り、コインロッカーにデポしていた荷物を回収し各種用事を済ませます。
■ 雷鳥荘で待っていたものは・・・ッ!
あとは雷鳥荘まで原則下るだけ。
素晴らしい雪景色なんかを見ながらトレッキングと洒落こみましょう。
と思うじゃないですか・・・
微妙に登り下りがあるんですよ・・・
このちょっとの登りが応える・・・
みくりが池温泉を超えた先に待っているのがエンマ台からの絶景。
夕日+大日岳という大勝利な組み合わせが待ってますよ。
前回も書きましたが室堂から雷鳥荘までは大きくグルっと回るルートを取ります。
まずはさきほど登ってきた雄山に向かって進みます。
先行しているパーティーさんがちょっと低く見えることから標高を少し下げているのが分かると思います。
こちらが目標の雷鳥荘。
もうすぐそこですね(
最後に素敵な登り返しが待っています。
わーいまだたくさん登れるよー・・・
エンマ谷から約20分ほどで雷鳥荘に到着です。
テント泊であるdocさんとはここで一旦お別れ。
明日無事に再開できることを祈りながら見送ります。
夜はきっと氷点下だからね・・・
チェックインして少し体を温めてからぶらり夕焼け撮影に・・・
富山湾方面を撮影した1枚。
手前の雪に反射する夕日が美しい
到着時間が遅かったので何枚も撮らない間に夕食の時間・・・
この日はカレー。しかもおかわり自由という意味のわからなさ・・・
ここは下界か?下界なのか?
ご飯も温泉も美味しく頂きました。
この日は満月。
満点の星は見れませんでしたがその分、月に照らされる雪原が美しい。
テントの明かりが可愛らしいです。
寒さは大変なものがあると思いますが・・・
月明かりが強いからこそ撮れる1枚なのでは?
雪の一部が反射し水玉模様を作り出しています。
寒さのあまり出たり入ったりを繰り返していると少し雲が・・・
これはこれで幻想的と思えるのがフォトグラファーのいいところ
ちょっと固めに仕上げた1枚。
なんとやってるうちにかかっていた雲は綺麗になくなりました。
ちょうど真上に月が来ていたので月から光が落ちてくる雰囲気に仕上げました。
■ 朝は期待を持たせるが・・・ッ!
ということで二日目の朝です。
雷鳥荘はお風呂ありウォシュレットありといい事づくめなのですが、なんと追加料金なしで朝食をお弁当に変えることができますッ!
朝日を狙う関係上、少し早めに出発したいので今回もお弁当に変更させてもらいました。
昨日までの暖房の暖かさがほんのり残る館内で食べるお弁当は美味しかったです。
時刻は朝6時。
テントを撤収してきたdocさんと合流し6時半過ぎの日の出を目指してみくりが池に出発します。
雄山方面にほんのり色がついてます。
これは・・・期待できるのでは・・・ッ!
と急ぎ足になりますが待っているのは無情な登り・・・
ちょっと登りがもうしんどいだいたいいろです。
なおdocさんはテントを担いでいる分、だいたいいろより負担が大きいですがあまり文句を言わないナイスガイです(実話
6時10分過ぎの雷鳥荘方面。
オレンジ色の部分が少しずつ少しずつ広がってきます。
ちょっとあっさりし過ぎな20分程度でみくりが池に到着。
あれ?もっと遠いと思ってたよと拍子抜けします。
ちょうどいい場所も空いていたので三脚をセットし日の出を待ちます。
いいぞ・・・いい感じの色付きだぞッ!
と思ったのもつかの間・・・日の出の時間を迎えるころには厚い雲が・・・
残念ながら日の出を向かることは叶わず・・・
待っていても仕方なさそうなので肩を落としながら室堂ターミナルへ戻ります。
大日岳方面はいい感じなのがかなり悔しいですね。
あと少しでいい感じになりそうなのにとしつこく撮影したりしました。
戻りながら考えていたのは立山に泊まる魅力について。
いつもは人の多い室堂内をこんなに静かに歩けるのは泊りならではの魅力だなーと
人のいない静けさがより雪山の怖さを伝えてくるようです。
みくりが池から30分ほどで室堂ターミナルに到着。
最後にちょっとだけ太陽が顔を出してくれました。
行きの渋滞が嘘みたいな感じでゆったりとした雰囲気で無事に下山しました。
■ さいごに・・・
二か月連続で登った立山。
秋色だった景色は見る影もなく広がっていたのは死の世界・・・
なんですけど・・・人も多く道も整備されています。
また各種設備も標高2000m越えの冬山の中とは思えないくらい整っています。
冬山に興味はあるけど・・・と悩んでる方にはぜひ行って貰いたいと思える山でした。
設備は充実していますが冬山は死の世界。
各種防寒装備に加え、ピッケル・アイゼン・ビーコンも忘れずに!
(冬の立山はビーコン携帯が義務付けられています)
ちょっとの登山で想像を超える景色が待っていますよ!