初めての失敗登山の記事です。
岐阜県で一番難しいと一部では囁かれている小秀山。
そんな山に挑戦し、敗北を続けた記録をここに残します・・・ッ!
小秀山とは?
岐阜県と長野県の県境にある標高1982mの山です。
阿寺山系の最高峰であり、山頂から御嶽山を眺めることができます。
小秀山から御嶽山までは遮るものがなく最高の眺めを提供してくれるのだとか・・・
麓にはキャンプ場があることから駐車場は整備されており、また国道入ってすぐにあることから比較的アクセスはいいほうだと思います。
小秀山登山道の途中までは木道が整備されており、大小の滝を楽しみながら歩くことができますが・・・
- 駐車場から山頂までのコースタイムは約5時間
- 距離にして片道約5km
- 駐車場からの標高差は約1200m・・・
数値から中々ハードな感じが伝わってくる山です。
実際のところはどうかというと秋・積雪期・厳冬期・残雪期と挑戦し、
- 秋・・・山頂まで行くもガスに囲まれる
- 積雪期・・・中間点である夫婦滝で装備不足で撤退
- 厳冬期・・・2/3地点の登山道分岐でタイムオーバーにより撤退
- 残雪期・・・今回の登山。開始時間を早め山頂まで30分のところまで進むも疲労により撤退
山頂まで行けたのは秋のみであり、成功率は驚異の25%という低さ・・・
今回残雪期でも負けたことを記念(?)して、どんな山なのかを紹介したいと思います。
写真を見返し一番映えそうなのは厳冬期・・・
ということで厳冬期を中心に、足りない部分を秋と残雪期で補って記事をまとめみました!
凄い写真などはないし、いかに大変だったかを書く記事となります。
面白い内容ではないと思うので、ここで遠慮なくウィンドウを閉じていただいて問題ないです。
続きが気になるかたはこちらから・・・
スタートは標高860m!
駐車場のある登山道入り口の標高は860m!
標高1300mの伊吹山の登山道入り口で標高700mくらいなのでその低さ分かっていただけるでしょうか?
登山道入り口横にあるこちらの管理棟で駐車場代500円をお支払いします。
早い時間ではスタッフさんがおりませんが封筒による支払システムが整備されています。
しっかり払いましょうッ!
そしてこちらが登山道に続く道。
毎回この辺りまでは元気なんだよなぁ(当たり前
橋の上からはこんな感じの景色を見る事ができます。
これだけで綺麗だよ?ここで帰ってもいいよ?と囁いてきます(きません
標高がそこまで高くないとはいえ雪山は雪山。
最初から最後まで登山道には雪が積もっています。
小秀山は少し変わった山です。
いきなり小秀山に登るのでなく半分までは登山道が整備された乙女渓谷を歩く形になります。
切り裂かれた谷底を歩く感じ・・・悪くないッ!
乙女渓谷といえばこの木道。
小秀山中間点である夫婦滝まではこのように整備されている部分が続きます。
部分部分で整備されていないハードルートもありますが・・・
雪と渓谷の強い組み合わせ。
ついつい写真を撮ってしまいます。
厳冬期はdocさんと登っていたので視線が痛いです(
登山道入り口から歩くこと約30分。
乙女渓谷がその本性を現します。
この傾斜!
標高差1000mオーバーを登るため序盤の傾斜は強め・・・
歩きやすい木道なのが救いか・・・
頑張って登りましょう・・・ッ!
所々で木道ではなく普通の登山道が顔を出します。
進めば進むほど木道以外の道が増えていきます。
登る時は必ず登山装備でッ!
要所要所でこんな感じの傾斜が・・・!
アイゼン効かせて登っていきます。
乙女渓谷はツライだけの道のりではないです。
こんな感じの滝や釜があり風景を楽しませてくれます。
たびたび立ち止まって撮影してるけど休憩してるわけではないからね・・・ッ!
三脚とか持っていれば長秒を楽しみたいところですが目標はあくまで山頂を踏むこと。
行動時間が長いので足早に先へ進みます。
登山道入り口から約1時間で最初の避難小屋に到着です。
ここで小休止。
雪山で飲む温いお湯は最高だぜ。
といってもそこまで標高が高くないせいかちょっと暑いくらい。
ミドルを脱ぎ手袋も夏用に換装し再出発です。
避難小屋の横を通り抜け先へ進みます。
スタックがしっかり残っているので迷う心配なしです。
道中こんな感じで案内が出来ます。
これを見た時の感想は
今俺たちが歩いている道はなんなんだ?小秀山じゃないのか?
です(
この辺りから木道は姿を消していきます。
剥きだしの登山道が登山者たちの足を容赦なく削っていきます。
たまに木道が姿を現せば急傾斜というハードコース・・・
既に足が痛い・・・
そしこんな感じの2段階の木道を超えたら・・・
登山道入り口から約1時か半・・・夫婦滝に到着ですッ!
滝といっても厳冬期には完全に凍ってしまい氷瀑に変わります。
滝直下まで歩くことができるのですが・・・この迫力・・・
ちょっと怖いくらいです
ここだけでかなりの撮影スポットですが目指すは山頂!
もうすでに無理かもしれない・・・という気持ちとともに出発します。
夫婦滝から先は・・・
ここから先は完全な登山ルート。
今まで助けてくれた木道さんは姿を現しません。
というかここまでで十分ハードじゃないですか?
でも安心してください。ここから先はもっとハードです(爆
心折れそうですが進みます・・・
もはや道なのかも怪しい道を進みます・・・
途中、自然が作り出す造形美に目を奪われます(訳:足が限界で休憩してた
それなりの傾斜を体全体で楽しみながら歩くこと約1時間。
次のチェックポイントである鎧岩に到着・・・
もはや鎧岩を撮影する体力すらないくらいに消耗してるぞ・・・
その先も手を使わないと登れない傾斜を超えていきます。
そして第一展望台を超え・・・え?小秀山までまだ3kmもあんの?
まだまだ傾斜を登ります。
小秀山の印象はとにかく登る。
御嶽山も登る印象が強いですが、あちらは足だけで登ります。
小秀山は体全体を使ってアグレッシブに登っていく印象です。
夫婦滝から歩くこと約1時間半(麓からは3時間)・・・ついに小秀山最大の難所が立ちふさがります。
(なんで3時間も歩いてから最大の難所が来るんだよ!と心の中で叫びます)
カモシカ渡りです!
垂直の崖にへばり付きながら登るポイントになります。
さすがに厳冬期は写真を撮る余裕がなかったので残雪期に撮った写真をご紹介したいと思います。
こちらが取り付き部になります。
ハイ!もうすでに何したらいいかわからないですよね・・・
木の根っこや岩をしっかり掴み登った先にあるのは・・・足場がほぼない岩場です・・・
下を見るとこんな感じ。
まあ落ちたら死ぬよねと正直思いました。
冷や冷やしながら岩場に取りついた先に待っているのは馬の背のように細い道・・・
死ぬかもしれないと思いながら馬の背を渡った先には・・・巨石が待ってます!
これ取り付く場所が分からないのですが左の木の根っこを伝って登りました。。。
この巨石を超えるとカモシカ渡り終了です。
ねぇ?この山厳しくない?厳しいよね?という気持ちが強くなります。
時代は戻って厳冬期。
ここまで来ると高度感はそれなり。
正面の山に降りかかった雪が綺麗です。
ここでdocさんと相談。
だいたいいろの足が限界にきていること
下山時間を考えると山頂は無理だということ
を勘案した結果、ここから30分程度先にある登山道分岐で撤退することに・・・
約4時間登ってもまだ先がある・・・
分岐から山頂までは1時間半・・・
というかこの先の兜岩もなかなかの難所・・・
圧倒的なまでの難易度を見せつけられ
こうして厳冬期の小秀山登山は失敗に終わることになりました・・・
残雪期はもうちょっと先まで進む
ここからは残雪期に挑戦した時の内容になります。
残雪期は撤退した登山道分岐まで雪はなく順調に進めました。
コースタイム通りの3時間で分岐まで到着。
さあ行くぞと思った矢先、雪のお出迎えです。
しかも残雪期・・・雪が緩くなっておりアイゼンをつけても足が取られます。
容赦なく足を奪っていく雪に苦戦しながら歩くこと約1時間。
第二の難所(難所だらけだった気もするけど)の兜岩にとりつきます。
この兜岩もかなりの急斜面です。 雪がかなり緩くなっておりさすがに写真を撮ることはできませんでした。
秋に登った時はこんな感じ。
ほぼ垂直の岩場を両手両足を使って登る感じです。
岩全体が尖っているので転んだらただではすまんぞという雰囲気ですね。
季節は進んで残雪期。
兜岩に登っている途中の1枚です。
遠くに見えるのが御嶽山かな?
山頂であの姿を見ることは出来るのかな?
さてさて先に進むと見えてくるのは兜岩のピーク。
山頂まで急登の続くので両手両足をしっかり使って登ります。
ピーク付近からの1枚。
太陽が出てきて山に溜まった水蒸気が一気に噴き出してきます。
綺麗ですがこれを見た瞬間
御嶽山を見ることは無理だな
と確信しました
登山道分岐から兜岩までのコースタイムは30分。
残雪期は雪が緩い上に岩場とのミックス状態と悪条件が揃っていることから、その倍の1時間かかりました。
兜岩を超えると待ってるいるのは細かなアップダウン。
ゆるっゆるの雪原を超えていきますよー
兜岩を超えてからは第一高原・第二高原・第三高原と超えていくのですが・・・
ここも難所の一つです。
樹林帯を抜ける必要がありますが・・・如何せん見通しが利かずマーキングが見つけられない・・・!
スタックを辿ろうにも溶けた雪と混じりあい、どこに踏み跡があるのかわからない状況・・・ッ!
それでもなんとかマーキングを見つけて前へ進んでいたのですが、
足どころか腿まで踏み抜くほど雪が柔らかい・・・
踏み抜き方が悪かったのか靴がガッチリと固定され抜けなくなる一幕も。。。
周りの雪を掘り返すことでなんとか足を抜くことができました。
悪戦苦闘しながらも第二高原途中まで進みましたが足がここで限界。。。
撤退することとなりました・・・
帰りもスタックを見失うこと多数・・・
残雪期登山の難しさを教えられる結果となりました。
秋の山頂はこんな感じ
秋に登った時は山頂までは辿りついています。
山頂にはこのような看板が立っています
そして遠くにうっすら見える御嶽山。
兜岩を超えてから延々と歩いて辿り着いた山頂でこんなのってないよ・・・ッ!
と思ったとか思わなかったとか・・・
山頂手前には立派な避難小屋もあります。
中はそれなりに綺麗らしいです。
先客がいたので入らずにスルーしました(
さいごに・・・
- 長い行動時間
- 圧倒的な標高差
- 開けない展望
なんのために山に登るのか?そんなことを問いかけてくる山だと思います。
ただ登りきることが出来れば確実に自信がつく山だとも思います。
厳冬期に日帰りできれば一人前、そんなベンチマークとしては最適な山ではないでしょうか?
来年こそは厳冬期に山頂を踏んでやると心に誓っています。