なんか年末年始はバタバタしておりどこにも行けなかっただいたいいろです。
そんなバタバタも落ち着いたころ
「今年も猛暑が各地で続く模様です」
というニュースが流れてきました(流れていません
やーめーた!とばかりに色々放り投げて息抜きがてら天狗岳に登ってきましたッ!
(本音言うと本当にこの導入はやめたい
■ 天狗岳とは?
東天狗岳と西天狗岳を合わせたお山です。
八ヶ岳に属しており標高は2646m。
難所らしい難所はないと言われており、また山小屋としては破格の快適さを誇る黒百合ヒュッテさんが途中にあることから冬山としては登りやすいとされています
登りやすさに反して黒百合ヒュッテから東天狗岳に至る道には大迫力の火口、鋭く切り立った東天狗岳、大きく広がる西天狗岳と見どころは多いです。
そんな天狗岳、登山素人が歩くとどんな感じなのか・・・以下をご覧ください。
■ 白い森を抜けて
天狗岳への登山口はいつくかあります。
だいたいいろの車では唐沢鉱泉前の悪路を超えることは不可能だと思われたので今回は渋の湯を選択。
渋の湯前にもちょっと悪路があって諦めかけましたがなんとか駐車場に到着。
渋の湯駐車場はこんな感じです。
この駐車場を管理しているのは渋御殿湯さんです。
早朝から受付をしてくれているので駐車する前に必ず受付を済ませましょう。
駐車場から少しだけ舗装路を歩きます。
綺麗に除雪されていますが凍結はしています。
チェーンスパイクをつけるほどの距離はないのでひたすら注意して歩きましょう。
5分もしないで渋御殿湯さん前を通過。
日帰り入浴もやっているので帰りに寄ってみましょう。
美しい朝焼けが迎えてくれます。
美しい景色を見たからといってやる気がみなぎるタイプではないので変わらないペースで進みます。
登山道の始まりはこんな感じです。
右手にある橋を超え・・・
この標識はどっち進んでもOKです。
今回は右の黒百合平方面へ進みます。
始まるのは八ヶ岳名物の美しい森ッ!
ここから先、二時間くらいは森の中を歩きます。
楽しいのは最初だけだなーとか思ってます(
登山口から20分ほどにあるこの標識は天狗岳・黒百合平方面へッ!
登山口直後の分岐はここに繋がるんですねー
分岐を超えてから本格的な登りが始まりますッ!
というか急に急になりすぎでは?
容赦ない角度が登山者に襲い掛かってきます。
どこが初心者向けなの???
めっちゃ急だよ?
雪の深さもかなりのものです。
まだ歩いている人も少なく、また新雪なことも相まって足を取られて歩きにくいぞ。
登山口から1時間ほど歩くと再び標識が・・・
んんん?これどっち行けばいいやつ?
天狗岳方面への矢印がないよ?と辺りをきょろきょろします。
本当の標識は後ろにある木に隠されていました。
もちろん天狗岳・黒百合平方面へ進みます。
ここの標識は見つけにくかったです。
分岐を間違えると大幅なタイムロスに繋がります。特に雪山では命に係わるので絶対に間違えないようにしたいですねー。
しばらくはそれなりの登りが続きます。
見つけにく分岐から約20分。またまた分岐です。
黒百合平方面へッ!
この辺りから森の雰囲気が変わります。
どう変わったのか?
白が増えます(
雪がさらに深くなります。
足を取られることも多くなるので注意していきましょう。
傾斜は変わらずというかさらに急になります!
急傾斜 + 雪 + アイゼン → 疲れる
こんなコンボが味わえるのが登山の醍醐味です(
頭上を仰ぎ見れば霧氷。
この日の天気予報は晴天。ちょっと雲があるけど大丈夫でしょうか?
登り始めて約2時間。
傾斜が緩くなり急に樹林帯が途切れます。
そしたらすぐに・・・黒百合ヒュッテさんに到着!
登山口から約2時間とそこまで行動時間長くないためあんまり疲れてません。
と思いつつも早速受付します。
疲れてないと言いながらも黒百合ヒュッテさんで休憩します。
黒百合ヒュッテさん館内の快適さはかなりのもの。
立山みたいに電気が通ってない山小屋ではNo.1かも・・・
最高のアトラクションもある上に・・・
なんと・・・ここには・・・コタツがあるんです!(写真は撮り忘れた
登っている間は暑いとはいえお外は氷点下。
実際は体が冷えているのでコタツに入りお湯を飲んでまったりします。
やべー溶ける・・・
意識が涅槃に飛びそうになりますがなんとかつなぎ留めます。
休憩をそこそこに天狗岳へ向かいますッ!
■ 白い山へ向かう
黒百合平という名前の通り、黒百合ヒュッテ付近は平原が広がっています。
平原は平原なんですけど・・・太陽を見てもらうとわかると思います・・・
風めっちゃ強い・・・
そんな強風から身を守ってくれるように最初は樹林帯から始まります。
黒百合ヒュッテから歩く5分ほど歩くと中山峠に到着です。
当たり前ですけど天狗岳方面へ進んでいきます!
正面に見えるのが天狗岳ッ! 雪煙舞い上がってんぞッ!
ほんの少しだけ樹林帯を歩いて・・・
垂直に近い傾斜を嚙り付くように登ったら・・・
稜線に出ますッ!
天狗岳は風の通り道なのか稜線は突風が吹き荒れていますッ!
雪が吹き付けられて登山道がハリネズミ見たいになってますね
ツライ!もう帰りたい!なんで歩いてんだ?
と自分に問い詰めたい・・・
全部・・・全部、雪のせいだ・・・ッ!
風は強いですが天気は最高!
東天狗岳も西天狗岳もしっかり見渡せます!
まずは左側の東天狗岳へ向かいます。
振り返ると稲子岳の雄姿!
切り立った崖がクッソ格好いいですねー。
稜線に出てからしばらくは崖ギリギリを歩いていくことになります。
当たり前ですけどあまり崖側に寄ると危ないです。
トレースを踏み外さないよう気を付けたいところなんですが・・・
風が強いせいかトレースが判断しにくくなってる部分が多いです。
本当に注意して進みましょう。
稜線に出てから10分少々ですが風のせいか思ったより体力を消耗・・・これが・・・これが風の力か・・・
風の戦士ではないので家に帰りたいです(
ちょっとした樹林帯を抜けていきます。
この樹林帯はちょっと注意が必要です。
風が抜けず雪が固まらないためかこの辺りのトレースは本当に分かりにくかったです。
ピンクテープもないので道を間違える可能性が高いです。
登山地図と睨めっこしながら進みましょう。
ちなみにこの登山からApple Watchを投入しました。
スマホ出さなくても地図と方角が確認できるのは便利。もう手放せないかも。
樹林帯の横は切り立った崖です。
これはホワイトアウトしたら怖いですね・・・
稲子岳越しに見える山は美ヶ原方面かな。
のんびりスノーハイクしてみたいです。
先ののんびりを考えるより目の前のお山をどうにかしましょう。
稜線に出て以降の足元はずっとこんな岩場です。
アイゼン履いた状態で硬い岩場を歩くとバランスを崩しやすいです。
繰り返しになりますが左側は崖。
絶対に転びたくないぞ。
岩場を超えた先には東天狗岳・・・雪煙凄くなってないか???
こちらは西天狗岳・・・雪煙凄くなってないか???(繰り返し
山頂付近はかなりの風が待ち受けているようです。
ここから先、身を待ってくれる障害物はありません。
吹き荒れる風を一身に受けながら登っていきましょう。
最後の樹林帯を抜けてから30分ほどは直登になります。
風の影響かトレースはやっぱり見つけにくい・・・
登った道が果たして正しかったのか未だに謎・・・
その風のおかげで舞い散る雪煙が美しい。
途中からは夏道用のガイドロープが導いてくれます。
ガイドロープ沿いに多くの人が歩いているせいかこの辺りはトレースがしっかりしています。
踏み外す心配がないので安心です。
登り坂も一段落したところで待っていたのがこの景色。
冷たい夜風は渦を巻いて
火照る頬を冷ましにくる
冷ますってレベルじゃないよ・・・
なんねこの突風・・・
遮るものがないので本当に体一つで耐えないといけないの本当に辛い・・・
相変わらずトレースは読みにくいです。
見た感じではルートが複数残っていたのでみんな迷いながら進んでいたようです。
ここが最後の急登ッ!
ちなみに太陽の下に見える場所は偽ピークです!
黒百合ヒュッテから登ること約1時間半・・・偽ピークの向こう側に見えるのが・・・
東天狗岳の山頂ですッ!
南八ヶ岳方面は雲もなくスッキリ見渡せます。
先日登った赤岳まで続く縦走路・・・歩くと気持ちよさそうだなー。
根石岳へ向かう稜線。 ぽつりぽつりとモンスターの姿が見えます。
北八ヶ岳方面はちょっと雲がかかってます。
赤岳と硫黄岳に寄った1枚。
崖の切り立ち方が爆裂した!って感じしてます。
突風で体が冷やされ満身創痍ですが・・・せっかくの晴天なので西天狗岳へ向かいましょう!
見た目はかなり距離がありますがコースタイムは20分。
傾斜もあるようでそこまででもなく、また距離も見た目より断然近いです。
下り初めてから10分もしないで一番低い部分に到着。
この快晴でこの気持ちのいい稜線を歩けるとか幸せだなー
こちらは東天狗岳方面に振り返っての1枚。
西天狗岳は全体的にまるっとしてて可愛らしい姿していますが東天狗岳は逆にシュッと尖ってます。
隣り合う山なのにここまで印象が違うのも珍しい気がします。
稜線を歩いている時に頭上を見ると・・・
美しい彩雲を見つけたりします。
いいことありそうです。
西天狗岳の足元に到着。
ここからグッと標高を上げていきます!
少し左に巻いて・・・
その直後に見えてくるのが・・・
西天狗岳山頂ですッ!
うわー風強いー(そればっかり
風が強くて長居は出来そうにないな・・・
南八ヶ岳方面の展望は西天狗岳の方が良好!
根石岳の全貌・硫黄岳・阿弥陀岳・赤岳の姿が確認できます。
北八ヶ岳にかかっていた雲もスッキリなくなりました。
蓼科山と北横岳って意外と標高差あるな。
冬の蓼科山は登ったことがないので今年挑戦しておこう。
美ヶ原方面も視界良好。
崖に張り付くよう立っている根石岳山荘。
土日なら冬もやっているようなので泊まって根石岳頂上から朝日を拝んでみたい
風に吹かれっぱなしで体力を削られっぱなしなので早々に下山開始です。
登ってる時は気になりませんでしたが下りはちょっと急に感じます。
西天狗岳山頂付近から捉えた東天狗岳の全景。
鋭い山体と美しい稜線・・・八ヶ岳で一番格好いい山なのでは・・・
稜線に寄った1枚。
右側の白さがどことなく月面を感じさせます。
直下から見上げても格好よさは変わらず。
空に向かって伸びる登山道が気持ちいいですね。
振り返っての西天狗岳。
お昼も過ぎ少し傾いた日差しで伸びる影がどこか悲しくて印象に残ってます。
東天狗岳山頂付近は大きな岩が顔を出しています。
躓くと危険なので足元の確認はしっかりとッ!
東天狗岳山頂から黒百合ヒュッテまでは約1時間。 北八ヶ岳に向かって下りていくみたいで気持ちいい道ですが・・・
傾斜は急かつ右手側は切り立った崖です。
稜線が終わるまで気が抜けない道が続きます。
高度感はしっかりあって少し怖いのですが登りと比べるとトレースは追いやすくやや歩きやすい印象です。
右端に小さく見えるのが本日のお宿の黒百合ヒュッテ。
遠い・・・
本当に登山の趣味としている人間の感想とは思えませんね(
夕方手前の時間ということもあり帰りの樹林帯では美しい斜光が向かえてくれました。
右手側は変わらず切り立った崖。
左手側の樹林帯で風が抜けないせいかこの辺りのトレースは追いやすいです。
天狗岳の姿が見えなくなる前の最後の1枚。
風が強くて体力は使いましたが歩いていて気持ちのいい山でした。
夏もこの道を歩きたいなー
ということで東天狗岳山頂から約1時間で黒百合ヒュッテに到着です。
本日はここに宿泊。
ということでこたつに入り個体と液体の行ったりきたりしながらゆったりとお夕飯を待ちます。
そしてこちらがお夕飯。
味は最高な上に山小屋には珍しく器が綺麗な陶器。
美しい器はご飯をより美味しく感じさせます。
夜は雲一つない空。
黒百合ヒュッテは一段低い場所にあるため光が届かないのか星がとても綺麗。
星がたくさん入るかもなーくらいの気持ちで広角にスイッチ。
こちらの方が好きかも。
■ 白い山へ再び向かう
二日目の予定は下山のみ、とするつもりだったのでゆったり朝ごはんを頂いております。
中央のメインプレートの柄・厚さが非常に好みだったりします。
だいたいいろは厚焼きの陶器が好きです。
朝ごはんを頂いて小屋を出たのが6時30分。
そのまま下山するつもりだったのですがなんだか天気がよさそうです。
もったいないので朝の柔らかい光に照らされた天狗岳を見に行くことにします。
昨日と比べると風は若干弱いかな?
朝焼けのトーンが美しい。
なんで標準ズームじゃなくて広角ズーム付けてるんだろ?
と思わせる景色が続きます。
東天狗岳への稜線途中で日の出を迎えます。
白と黒しかなかった世界にオレンジ色の光が差し込んできます。
太陽の光ってめっちゃ暖かいなーと感じる一時。
稲子岳方面の1枚。
こちらは緑に被さるようなオレンジ色が印象的です。
進行方向にあたる東天狗岳方面。
朝焼けの柔らかい光の中を歩けるのが嬉しいですねー
日の出の時間って何を撮影しても美しくなり、たびたび足が止まってしまいます。
まさに日の丸構図な1枚。
放射状に広がる影が日の丸感を強調してくれます。
先ほどから少し標高を上げてからの稲子岳方面。
あの先から南八ヶ岳見ると気持ちよさそうなのに登山道がないっぽいのが残念。
朝も早いことがあり雪は締まっておりアイゼンが効かせやすいです。
黒百合ヒュッテから歩くこと約30分。
東天狗岳山頂と西天狗岳の姿を確認。
西天狗岳から東天狗岳を見ると逆光になり、
東天狗岳から西天狗岳を見るとド順光になる。
なので天狗岳と朝日を絡めて撮影するの難しいのでは?と考えてみたりします。
頭を出したばかりの太陽に照らされる長野の町は大変エモーショナル。
朝日と絡めるならこっちがいいな。
東天狗岳の山頂手前は急登&切り立った崖の組み合わせなので注意が必要ですが 吹き上げられた雪と太陽の光が印象的でつい写真を撮ってしまいます。
山頂までの急登を超えた先で振り返っての1枚。
太陽が当たる部分と当たらない部分のコントラストが気持ちいいです。
右奥に見えるのは浅間山かな?
お隣にある黒斑山には登ったので今度は浅間山に登ってみたいです。
ここまで来れば後はウイニングライブラン。
小さく見えている山頂標識まで気持ちいい光を浴びながら進みましょう。
なお風はめっちゃめちゃ強いので体力はゴリゴリ削られます(
黒百合ヒュッテから歩くこと約1時間半。
日差しが柔らかいうちに東天狗岳登頂完了です。
昨日は太陽が登り切ってから登頂したので光の当たり方がちょうど真逆になってます。
時間も少し早いので根石岳方面をちょっとだけ進んでみます。
天狗岳⇔根石岳の縦走路は細い尾根を歩きます。
ここから先は風の通り道を歩くことになるのでより一層の注意が必要ですッ!
夏は橋が架かっていると思われる箇所を超えると
カチカチに凍った稜線の上へ出ます!
雪の上というより硬い板の上を歩いてる感じです
そこから始まるのは急降下。
かなり高度感もあり、また岩場の間を抜けていくような道のためトレースが非常に追いにくい・・・
傾斜を下りきってしまえば根石岳までの気持ちのいい稜線が待ってますが・・・
ここから先へ進むと強風からの低体温症を引き起こして行動不能になるかな?と思い下山を開始。
行きが急なら帰りも当然急です(
下りと違い高度感を感じないのがありがたい。
逆に登るには登ったけど下りれなくなるという恐ろしい事態を引き起こしかねないので注意が必要です。
どこまで行っても気が抜けないのが登山・・・
そのまま帰るのも何か勿体ないのでなんとなく持ってきたマクロレンズでなんとなく撮影しながら帰ります。
110mmっていう焦点距離で切り抜く北八ヶ岳。
蓼科山と北横岳の収まりがいい感じです。
空気が乾燥しているおかげで後ろの席までちゃんと見えてるからね!
根石岳へ縦走路だけが光って見える1枚。
この日差しは歩くときに頼もしいだろうな・・・太陽の光が当たるだけで体感温度が上がる気がします。
根石岳への縦走路にはモンスターたちが姿もチラホラ。
稲子岳を切り取った1枚。
昨日とは逆方向から眺める形になった西天狗岳方面の稜線。
太陽の光が真逆になるので月の裏側感が出てる気がしませんか?
日が登る時間になっても強風は収まらず・・・
舞い散る雪煙をなんとか撮ろうとするも成果は得られず・・・ 心の中に散った風花・・・
そんなことをしていたらスグに黒百合ヒュッテに到着。
登山道には素敵な景色がもっと転がっていると思ういます。足元の絶景を探すためにもマクロスナップは折りを見て挑戦していきたいところです。
AF出来るマクロレンズ欲しいとか思ってないですよ(
あとはそのまま昨日登ってきた道をピストンで戻り無事に下山いたしました。
■ さいごに・・・
初心者御用達として紹介される天狗岳ですが道中は決して優しくなかった印象です。
切り立った尾根と稜線出てからの強風はこちらへの殺意が溢れていました。
最初の雪山というより脱初心者を掛けた挑戦の雪山、という感じでしょうか。
黒百合ヒュッテを抜けたからの景色はどこをとっても絵になります。
特に山頂付近から見下ろす北八ヶ岳方面は絶景。
こんなにも開放感のある景色があるのかと驚くこと間違いないと思います。
道中にある黒百合ヒュッテさんは快適そのもの。
コースタイム的には日帰りも可能ですがぜひ泊まって頂きたいと思える山小屋でした。