今を投げ出してもいいくらいになりふり構わず進んでいけ
とは思わず、あまりリスクを追わずに趣味を楽しみたいと常々考えてるだいたいいろです。
赤岳・天狗岳・唐松岳と強風に振り回られる登山をやってきたのでちょっと落ち着いた登山がしたくて編笠山へ行ってきました。
■ 編笠山とは?
八ヶ岳の最南端と言える場所に聳えている標高2524mのお山です。
隣に立つ権現岳は険しく尖った形をしていますが編笠山は逆に丸くて可愛いおわん型をしています。 見た目のイメージは柔らかく、実際の登山道もそのイメージを崩すことはありません。
登山初年度に権現岳とセットで攻略し絶望を味わったのはいい思い出です( uniquepic.hatenablog.com uniquepic.hatenablog.com
不思議と冬山の情報が少ない気がしますが冬でも駐車場は整備されておりアクセスは良好です。
そんな編笠山、実際登るとどんなイメージなのか?
ちょっと振り返ってみました。
■ 八ヶ岳らしくない?
編笠山への登山ルートはいくつかありますが、代表的なのは観音平ルートと富士見高原ルート。
コースタイムが短いのは観音平ルートですが冬は周辺道路が通行止めになります。
そのため、冬に編笠山を登るならコースタイムのんながい(長い)富士見高原ルートで登ることになります。
ということで、こちらが富士見高原さんの駐車場です。
富士見高原さんは周辺一帯をリゾートとして開発してくれており駐車場は完備・・・
登山者用に登山口に一番近い駐車場を無料開放してくれています・・・
スキー場があるため周辺道路の除雪は完ぺき・・・ッ!
圧倒的感謝ッ!!!
駐車場を出てすぐに見えるこちらの看板に従って登山口へ向かいます。
後ろを振り返ると北岳の雄姿を拝むことができます。
10分も歩かないで登山道入り口が見えてきます。
なんとぉッ!隣には仮設トイレが用意されていますッ!
神だ・・・ッ!神はここにいた・・・ッ!
圧倒的感謝(2回目)をしながら有難くお借りします。
ちなみに駐車場近辺にトイレはありません。
工事現場に仮設されたトイレです。工事が終わればなくなるかもしれませんので注意ください。
思い残すこともなくなったので登山を始めていきましょう!
登山口からしばらくはなだらかな登りが続きます。
登山者さんの数もそれなりに多いのでトレースは残ってます。
道も踏み固められておりアイゼンなしでも全然余裕で登れます。
10分ほど登るとぶつかるのがこの標識。
標識を見ると林道を進むように見えますが・・・ よく見るとすぐ右に曲がるトレースが・・・
そちらが正解です。
標識を過ぎるとちょっとした下りが待っています。
夏は川になっていると思われる砂防ダムの横を通りすぎます。
再び林道にぶつかります。
当然ですが編笠山方面へ進みますッ!
時刻は7時半過ぎ。
暗かった森にも光が差してきます。
これ・・・霧氷のあるタイミングで来たら最高に美しい森なんじゃない・・・?
途中にある工事中の看板。
積雪はそれなりにあるのかなーとか思いつつ横を通りすぎます。
登山開始40分ほどで見えてくるのが本日の目的地である編笠山。
3000m級とは思えないくらい綺麗な円錐形しています。 まだしばらくは道は平坦、最後に一気に標高を上げるタイプの登山になりそうです。
植生の差でしょうか?
常に空が見えているおかげで八ヶ岳の森感があまりないです。
ほら・・・こう八ヶ岳と言えば鬱蒼と茂る森からスタート!
みたいなイメージあるじゃないですか?
そんな感じはなくさわやかな森感があります
登山開始から約1時間。
山頂までの標高は残り1000mですッ!
編笠山って何気に標高差1000m以上あるのね・・・
平坦さはまだ変わらず・・・登山って感じがあまりしないです。
綺麗な朝日が差し込んでいます。
低層に雲が溜まっていないので山頂に行けば遠くまでスッキリと広がる景色が見られそう。
ずっと同じところを歩いているような感覚に襲われますがちゃんと前へ進んだようです。
残り時間が15分減ってます(
ここまで登りらしい登りはないので体力は余裕あり。
コースタイムを巻くほどではないですがサクサク進んでいきます。
少し登りが始まったかなー
登山日は2月の終わりとは言え、そこまで冷え込まなかった日です。
それでも太陽の光を浴びると体が温まった気がします。
登山開始1時間。
岩小屋らしき場所を通過します!
文字が擦れててなんも読めねぇ・・・
この辺りで小休止。
登っていると暑いのですが実際の気温はほぼ氷点下。
水筒の水が冷やされてとても美味しいです
岩小屋を超えると本格的な登りが始まります。
しばらくはつづら折りの道を進んでいきます。
この辺りの雰囲気は完全に小秀山の下り・・・
いつまでも終わらないつづら折り地獄を彷彿させ寒気がします(標高が上がって体が冷えてきただけ
登山開始から約2時間ッ!
ついに山頂の文字が!
森は開放感があり八ヶ岳とは思えないですね・・・
残り300m!
登山道の雰囲気は終始こんな感じです。
難所らしい難所がなくとても歩きやすい・・・
■ 八ヶ岳らしさ
常緑樹が目立ち始め森の雰囲気がいつもの八ヶ岳感をだしてきます。
これだよ・・・ッ!このジメジメ!まるで実家に帰ってきたかのような安心感です。
森の光が落ちてきて綺麗ですが、この辺りから岩場も姿を見せ始めてきます。 八ヶ岳感が高まってきた!
踏み抜きが増えてきますので注意して登りましょう!
登山開始から約2時間半。
遂に青空が姿を現します!
振り返ると登山開始時と変わらない北岳の姿が・・・ッ!
視線を少し左に向けると富士山。
圧倒的なまでの存在感。富士山の姿をハッキリと確認できるのは八ヶ岳の大きな魅力です。
富士山と南アルプスをまとめた1枚。
南アルプスの南方面に視線を向けた1枚。
編笠山は八ヶ岳の一番南にあり視線を遮る山がない。この開放感が非常に気持ちいいです!
見た人を離さないタイプの劇的な写真は撮れません。
その変わりいつもの登山と違った優しい写真が撮れている気がします。
樹林帯を超えると山の姿は一変します。
優しい森の雰囲気はなくなり雪と岩場だけの生を感じない世界に入ります。
積雪が多かった2021-2022年。
登山ルートはまだ雪の下ということもありそこまで気を遣う場面はありませんでした。
ゆったりと山頂を目指すこと約20分・・・
ついに編笠山の頂上に到着ですッ!
編笠山の山頂は大きく広がっているので開放があります。
そんな山頂からは阿弥陀岳・赤岳・権現岳の八ヶ岳よくばりセットを見ることができます。
一番左の阿弥陀岳からセンターの赤岳ってかなり距離あるように見えます。 夏とはいえよく歩いたな・・・
視線を少し左に向けた蓼科山方面。
地平線の彼方(そこまでの距離はない)に見えるのは北アルプス・・・アタックも驚く白さです。
富士山は山頂からも見えます。
「重いから」ってだけで手放した望遠レンズが恋しくなります(
山頂からちょっと離れての1枚。 山頂の広さみたいなのがちょっとでも伝われば・・・ッ!
山頂を踏んだ時点で下山を開始する人もいますが・・・それはちょっと勿体ないです。
登ってきた道と反対方向の樹林帯を5分ほど進むと・・・
権現岳の全貌が確認できるポイントに出ますッ!
権現岳山頂に寄った1枚。
左の方が山頂っぽく見えますが右のしょぼい岩が山頂です。
権現岳への登山ルートは総合的なスキルが求められる場所。
夏に下ったことありますが確かに細い岩場をトラバース、その先は急登を下るルートだった記憶が・・・
来年の冬は挑戦してみるか。
阿弥陀岳と北八ヶ岳をまとめた1枚。
全八ヶ岳が望める最高のロケーションです。
権現岳への縦走路をまとめた1枚。
ここからでは見えませんが青年小屋手前は危険な岩場ゾーン。
アイゼンつけた状態での歩行は注意が必要です。
それなりに休憩して一回缶ジュースしたところで下山を開始です。
登山口とは違い八ヶ岳感のある常緑樹の間を抜けてまずは山頂へ戻りますッ!
5分ほどで山頂に到着。
11時の割には人が少ない気がします
これで富士山も見納め。
言葉にできないくらいの幸せを貰ったよ(大袈裟
白い衣を纏った北アルプス。
どんな経験を積めば挑戦できるのか分からないですが・・・いつか写真を撮ってみたいですね
さてさて矢印に沿って下山を開始していきます。
登る時は気にならないけど下山時は高度感が気になるな
と言っても足がすくむようなレベルでは全然ないです。
どこに足を置いたら転ばないかを確認しながら下山します。
上から見下ろすと蓼科山とそっくり。
北と南で正反対の位置にあるのに似てるというのはちょっと不思議です。
しっかりと登山道が整備されていることからスイスイ下山となり山頂から1時間半程度で登山道入り口に到着。
登りはじめと変わらない姿の北岳を拝み無事下山となりました
■ さいごに・・・
とにかく・・・とにかくッ!登りやすい山でしたッ!
首が折れるような急登もなく、足が竦むような下りもない・・・ッ!
木曽駒ヶ岳のような雪崩地形でもなく天狗岳みたく切り立った崖もない・・・ッ!!
さらに登り約3時間半、下り約2時間と長すぎず短すぎないちょうどいい塩梅・・・ッ!!!
登山の辛さは極少なのに山頂から全八ヶ岳が一望できるという好立地・・・
冬山最初の一座にこれほどふさわしい山があるのか?
冬山に興味が出たらまず登って欲しいッ!!!
そう思わしてくれるいい冬山です。